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【今さら聞けない皇室の基礎知識】 「皇室特権」と「嫉妬」 村田春樹(自治基本条例に反対する市民の会会長・今さら聞けない皇室研究会顧問)

1.皇室特権が多すぎる?少なすぎるのだ!

今号は私事が多いので冒頭にお詫びしておく。まず二月中旬の我が家での会話を紹介しよう。

荊妻「悠仁さんが筑波大付属に合格したらしいけど、こんなの皇室特権だわ。許せない。」私「いや、お茶大附属中学と筑波大高校の提携の上での合格だから特権とか関係無いよ。」荊妻「いや、皇室特権に決まっている。だいたい論文が剽窃だったと、週刊誌の見出しに書いてあるわよ」

四十年の結婚生活で荊妻は我が国の女性の標準レベルだと実感している。従って世間は荊妻同様に考えている人が多いと思われる。そこで今日は皇室特権について考えてみたい。まず思い出すのは浩宮徳仁親王殿下(今上陛下)の幼稚園受験のことである。昭和三十八年浩宮さま学習院幼稚園を御受験というニュースを見た当時十二歳の私は母親に訊いた。「合格するかな。」母親答えて「なにを言ってるの。浩宮様のために幼稚園を作ったのだから合格するに決まってるでしょ。」私は子供心に驚いた、園児のために幼稚園を作ってしまうとは!確かに学習院幼稚園は戦災に遭い廃園となってしまったが、この年浩宮さま御入園御受験に合わせて再建されたのである。

さて浩宮さまのために作られた幼稚園、当時は日本中がそれを知っていたが、誰一人皇室特権などと言う者はいなかった。我が家庭は尊皇どころか父親は「天ちゃん」などと呼んで憚ることなかったが(今になって私が恥じているが)我が家でも幼稚園再建に異を唱えることはなかった。余談だが昭和天皇と香淳皇后は明治時代、学習院幼稚園で昼食時席を並べていたのである。お二人の仲睦まじい様子を見た女性教諭は「このお二人将来良いカップルになるわ」と予言したそうだ。

さて本題に戻る。今ネットで「皇室特権」を検索してみると夥しい秋篠宮家批判の嵐である。昨秋小室圭さんの母親を刑事告発した某評論家などは、NYに居るお二人を「血税カップル」と罵っている。

私は一月に「悠仁様は合格したら裏口だ特権だ、と騒がれる。落ちればそれ見たことか。両親の教育方針が悪かった、と批判される。どちらにしても、十五の春を壽ぐ声などかき消される。」と予言したがその通りとなった。庶民が逆立ちしても受からない難関高校。悠仁様もそれこそ猛勉強されたと思うがそんなことは一顧だにされない。

さて話しは明治に遡る。昭和天皇は明治天皇崩御時御年11歳、学習院初等科の5年生である。殉死する前日にお別れに来た乃木大将(当時学習院院長)とのやりとりは有名だが今日はさて措く。大正33月、初等科を卒業された東宮殿下は中等科に進学することなく、高輪の東宮御所内に新築成った東宮御学問所に入学される。校長(総裁)はかの東郷平八郎。帝王学たる倫理の担任はかの杉浦重剛であり、その他教諭はすべて当代一流の学者教育者人格者である。級友はわずか5名、いずれも選び抜かれたエリートである。東宮殿下はこの最高の環境で、至高の教育を大正102月のご卒業まで7年間受けられたのである。さてこれは皇室特権なのだろうか。

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