minsha 「とおる雑言」

【とおる雑言】 「日本を守り、伸ばす」政策を 寺井融(アジア母子福祉協会監事)

総選挙における各党の基本政策に納得ができなかった。あまりにも内向き。外交や安全保障についての党見解が少なかったからである。北朝鮮のミサイルが飛び、津軽海峡を中露海軍が堂々と通過していても、これなのかと思ったものだ。

トルコ旅行の際、地元の青年に「政治は国を守ることが第一です。福祉とか言ってみても、まず国があってのことですから」と言われたことを思い出す。私なら「日本を守り、日本の力を伸ばす」を、公約の基軸にしますね。

今回の自民=減退、維新・国民=躍進、立民・共産=敗北させた選挙結果は、「おおむね良かった」と思っている。立民は党首が辞任したのに対し、共産党はまったくその動きをみせなかった。好対照で興味深い。

共産にしてみれば「選挙結果に一喜一憂しない。自分たちは革命の前衛である」と自負しているのであろう。裏を返せば「国民は遅れた存在とみている」ということ。議会だって「革命の道具」に過ぎない。ほかの政党とは、議会制民主主義に対する認識が根本的に異なるのだ。

それにしても、与党第一党・自由民主党には公明党、野党第一党・立憲民主党には共産党が、コバンザメのごとく引っ付いているのは異様ですな。

公・共両党とも、党内論議が見えてこず、党首がどういう過程を踏んで選ばれるのかも明快ではない。「日本を守り、日本の力を伸ばす」政策推進にあたって、逆艪となる可能性だって感じる。これでいいのか。