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【論説】内側から崩壊させる中国の「静かなる侵略」

※イメージ画像

 

コロナ禍の感染が拡大し始めた昨年2月以来、世界は悪い意味で「中国」を中心に回りだした。

 

武漢発症と疑われるウイルス起源について世界保健機関(WHO)を取り込み責任回避をする一方で、同年6月に香港国家安全維持法を施行し一国二制度を事実上破棄。ウイグル自治区や内モンゴル自治区、チベット自治区での人権弾圧の報告が次々と上がる一方、台湾海峡や南シナ海、インド国境付近での示威行動を行い、異民族排除や領土的野心をむき出しにし始めたことで、周辺諸国の懸念は急激に高まった。

 

日米豪印で形成されるQUAD(クアッド)や、米英豪で形成されるAUKUS(オーカス)など周辺の民主主義国家が急ぎ集団安全保障体制を確立する動きとなり、暴走する中国共産党に対し、一定の抑止効果をもたらしている。

 

一方で、各国内には親中派と呼ばれる国民が、政治家を含めて多く存在する。日本国内にも、政治的立場問わず与野党問わず、親中派とされる政治家は少なくない。自民党の二階俊博前幹事長、公明党の山口那津男代表といった国政を決める立場の重要人物や、日本維新の会や立憲民主党などの政党にも、親中のニオイ色濃い政策が少なくない。

 

なぜ、これほど親中派が跋扈するのか。そこには中国共産党の巧みな諜報活動がある。2018年にオーストラリアで上梓された『サイレント・インベージョン ~オーストラリアにおける中国の影響~』(静かなる侵略、クライブ・ハミルトン著)が、その侵略手法を詳説している。

 

中国政府が周辺諸国内部から中国共産党カラーに「赤化」する手練手管の例は枚挙に暇がない。我が国で当てはめた場合、将来の水不足や領土拡大に備えて北海道で中国国籍の企業や個人が土地を買い占めたり、日中友好親善を謳う諸団体や、大学構内に設置されている孔子学院を諜報機関として利用し、情報収集や中国文化の紹介、両国友好などを進めて中国へのシンパシーを形成し、イベント招待や金銭的な優遇を持ち掛けて親中派に染め上げる……などの行為も「静かなる侵略」の一環と考えていいだろう。

 

米ソ冷戦時代、ソ連はワルシャワ条約機構やコメコン(経済相互援助会議)などの組織を通じて、西側諸国との軍事的・経済的対決姿勢を示した。真正面からの対決姿勢はしかし、ひとたび緊張緩和(デタント)が進むと対話も進み、最終的にはソ連崩壊という形で超大国同士の熱戦は避けられた。

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