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【論説】自民党を救った「総裁選と解散総選挙」という成功パッケージ

※イメージ画像

 

自民党は今回、衆院議員の任期切れが一か月を切った段階で総裁選を行い、岸田政権誕生から間を置かずに衆院選に突入した。岸田総裁として初めて臨んだ総選挙で議席減はしたものの、事前に予測されていた大敗とはならずに国民の信を得ることに成功した。

 

前出のコラムで指摘したように、想定外の「与党支持」は、国民の賢明な判断というよりもコロナ禍の一服に負うところが大きい。が、いずれにしろ今回の成功体験は、「総裁選直後の解散はある程度支持される」という今後の選挙テクニックとして記録された。

 

何しろ、わずか1か月前の菅政権支持率は20%台に沈み、下手をすれば共産党が閣外協力する立民政権が今頃スタートしていたかもしれなかったのである。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、有権者は大きな政局とならずに終わった衆院選ことなど、すでに過去の出来事と考えているかもしれないが、仮に第5波が1か月遅れでピークを迎えていたら、日本は今頃大変な政局になり、世界が戦々恐々とした政変の渦中にあったに違いない。

 

それほど、コロナ禍の影響は大きく、また国政なんて我々が思うほど安定しているわけでなく、風任せの時局に左右されているのが現実だ。菅義偉前首相が、第5波の収束を予期して衆院選を伸ばしたわけではなく、任期ぎりぎりのところで「たまたま運良く」収束したに過ぎない。今回、小選挙区での票差が与野党でさほど大きくなかったことが、際どい勝利だったことを物語っている。

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