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【論説】コロナがなければ評価も変わった菅首相

※菅首相

 

横浜市長選後に動き出した自民党総裁選出馬を巡るゴタゴタは、とうとう菅義偉・総理総裁の不出馬という形で本命不在の流動化という事態に陥った。

 

ここ数日、総裁選絡みの政局ネタを記しては時々刻々の変化で没原稿となる繰り返し。最前線の混乱ぶりが際立つ変化の早さである。大きく事態が動き出したきっかけは、8月31日夜の毎日新聞スクープ「9月中旬に衆院解散の意向」だった。あまり政界中枢に食い込んでいるイメージのない毎日が断定的に記した特報に、政界が揺れた。

 

こうした断定調の記事に対し、他社は無視することができない。たとえウラが取れなくとも「その報道で皆が噂しているね」と党の有力者に言わせることで、「複数の関係者が明らかにした」と既成事実化し報道する。たとえ虚報であっても、報道が作り出した噂を関係者が世間話として口にすれば、それはある種の裏付けになってしまうのである。

 

事実、共同通信・時事通信は「解散の観測」という形で、毎日記事を後追いした。この書き方自体は、たとえ首相周辺にそうした言動が一切なかったとしても、虚報にはならない。なぜなら、実際に永田町はその話で持ち切りになっているからだ。毎日の記事に比べるとトーンが後退しているため、後追い以外の価値は何もないものの、全社に抜かれる特オチを防ぐためには有効な応急処置であり、前線の記者にとっては職務を果たす防御の一手である。

 

こうして時に政局案件は虚報が既成事実化していく特性がある。今回の「特ダネ」も、その後の事実報道などから毎日サイドで仕掛けたねつ造、もしくは反菅陣営による噓リークで始まった虚報の可能性が高い。当初は首相サイドの観測気球ではないかとも噂されたが、菅氏はこの毎日報道に大変怒ったと言われている。

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