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【なるほど納得政経塾】62 「自分の国は自分で守れ」   小山和伸(神奈川大学経済学部教授 経済学博士)

アメリカに見放されたアフガン民主政権

 8月25日、タリバン (イスラム教神学生・求道者) 勢力はアフガニスタンの首都カブール・大統領府を制圧し、アメリカ同時多発テロ(2011.9.11)に対する報復爆撃によって支配圏崩壊を迎えた2011年以来、20年ぶりに政権支配復活を宣言した。2014年以来アメリカ支援下で民主政権を担った、アシュラフ・ガニー大統領は国外脱出し、政権は崩壊した。

 この政変によって、西側民主主義国家の関係者、およびアメリカ支援による民主化やガニー政権に協力してきたアフガン人等が、タリバン勢力による報復を恐れて国外脱出の大混乱が起きた。それでも、バイデン米大統領は米軍撤退の基本方針を変えず、記者会見で「自分の国は自分守るべきだ」と述べ、戦わないアフガニスタン政府軍と、政権を放棄したアフガニスタン政府を批判した。

 国外脱出をめぐる大混乱のさなかの8月26日、多くの人々でごった返すカブール空港付近で、IS (イスラム国) によるテロが発生し、米兵13名を含む百人近い死者と、200名以上の負傷者が出た。ISは、空港周辺地域の領有権を主張しており、混乱に乗じた攻勢に出たものとみられる。

 

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