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【論説】独裁政党を絶賛するジャッキーチェン

私(記者)が小学校低学年だった1970年代から1980年代にかけて、銀幕のヒーローと言えばジャッキーチェン一択だった。1978年公開の『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』、翌年公開の『クレージーモンキー 笑拳』など、中国拳法をユニーク且つ流麗な動きで魅せる彼のキャラクターとアクションに憧れた。学校で友達とモノマネをしては映像の中の「長閑で滑稽な中国」に思いを馳せ、大学時代には中国を旅した思い出もある。

 

そんなチェン氏が先日、中国共産党100周年を記念した座談会で「党は約束したことを100年もかからず成し遂げた」と称え、「私も党員になりたい」と語った。同氏は中国の国政助言機関「人民政治協商会議」のメンバーを務め、これまでにも事あるごとに中国共産党を持ち上げてきた。

 

昨年6月に施行された「香港国家安全維持法」で、中国共産党の直接統治下に入った香港では、チェン氏の発言は当然ながら大きなバッシング対象となっている。一方、党にとっては強権政治の正しさを証明する貴重なインフルエンサーとして広告塔に利用する。党機関紙などで最大限にチェン氏を称えると共に、「香港エリートの共産党に対する理解は、ますます客観的、理性的になってきている」と自画自賛の道具にも役立てる。

 

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