pet「マリの喫茶室」

マリの喫茶室(60) オリンピック やるなら最小限に絞れ

 世論調査では8割が開催反対(延期・中止)、海外世論も反対にもかかわらず、日本政府は、オリンピック・パラリンピックを強行しようとしている。

 

 今、「安全・安心な社会」を実現できないのに、なぜ、2か月後に「安全・安心なオリンピック」ができるのか理解できない。

 

 しかも具体策がない。菅政権は、先手先手で感染対策を講じることは全くなかった。

オリンピック開催は1年前に分かっていたにもかかわらず、菅総理が陣頭指揮をとったのは、感染防止対策と相反する「GO-TO」だけである。

 

(1)後手後手の感染対策

 フランスの新聞が、「ワクチンもうたず、ロックダウンもせず、大規模PCR検査もせず」と菅政権の後手後手の感染防止策を批判していた。私はそれに「水際対策もせずに」を付け加えたい。

 

 島国にもかかわらず、イギリスやインドの変異株への対応が遅すぎる。入国制限もしなければ、有効な隔離策をとらない。結果として、当然、変異株感染が広がっている。

 

(2)後手後手のオリンピックの感染対策

 オリンピックの感染対策も先手先手で打つ、という印象が全くない。世論におされるまま、3月にようやく「海外からの観客は入れない」と宣言したが、それ以外は全くない。

 

 5月に入り、これもようやく「選手にはワクチン、選手と接する関係者はPCR検査」と言い出したが、国内の観客、ボランティア、多数の大会関係者、マスコミ、こういう人達のPCR検査はしなくていいのか。

 

(3)進まぬワクチン接種へのいらだち

 感染拡大防止の決め手はワクチンだが、高齢者優先である。医療関係者もまだ終わっていない状況である。我々一般市民は、いつワクチン接種ができるのか、全く見通しがたっていない。

 

 高齢者だけが感染リスクが高く、重症化するわけではない。

 テレビで、記者が「ワクチンを打ったら何をしたいですか」とワクチン接種の予約ができた高齢者に質問をしていた。その高齢者は、にこにこと「旅行に行きたい」と答えていた。正直な回答だとは思うが、旅行や昼カラオケに安心していくだけのために、高齢者にワクチンを優先するのか、と思ってしまう。

現役世代で、感染リスクを負いながら、ゴミ処理の仕事や、介護の仕事をしている人も多い。職業上のリスクを優先すべきではないのか。

その点、小池知事が警察・消防向けに大規模接種を始めるとしたのは正しいと思う。(たとえオリンピックの警備や救急搬送を念頭においているとしても)

 

 アンケート結果では、5割近くが「すぐに打ちたい」と答えているが、65歳未満の一般市民は、基礎疾患があろうが障害があろうが、いつ接種できるが全く見通しがたっていない。 

 

 そういう中で、「オリンピックだけは何がなんでもやる」、「選手は特別枠でワクチン接種する」といわれて、オリンピック歓迎ムードが広がるわけがない。

 丸川大臣の「オリンピックの意義は絆を取り戻すこと」に至っては苦笑するしかない。その前に命を守っていただけませんか。

 

(4)オリンピックをやるなら、徹底的に中身を絞れ

オリンピックは延期がベストだが、どうしてもやるのなら徹底的に中身を絞って、感染リスクを最小限に抑え、最小限の規模でやるべきである。

〇 無観客

 全員にPCR検査の陰性証明でも持ってこさせるのでない限り、無観客でやるべき。
〇 開会式・閉会式はなし

 試合に影響はない。

〇 プロ競技がある種目、感染リスクの高い種目は中止

  テニス、サッカー、ラグビー、野球などはプロ競技があるので、オリンピックから除外する。

マラソンは、市中に出るので、感染リスクが高いことから中止。

このように、せめて種目を絞り、最低限の規模でオリンピックを開催すべきである。

 

 このように、最小限度に絞りに絞ってから、世論にオリンピックの開催の理解を求めることがオリンピック開催の最低条件ではないか。

 

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