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【論説】到底あり得ない緊急事態宣言の再延長論

※イメージ画像

 

5月末までの東京・大阪の緊急事態宣言について、さらに6月20日まで再延長すべきとの意見が台頭している。

 

前回のコラム「緊急事態宣言の効果が剥落しつつある」でも述べた通り、「緊急」「非常」という緊張感は、異常事態という認識があるときに効果がある。今年に入って、緊急事態宣言中の期間の方が規制のない期間よりも長い。半年近く経つのに、計3か月にわたって緊急事態宣言を続けているのである。

 

麻薬は依存すればするほど体が慣れてしまい、快楽の期間が短くなり苦痛が増す。不況の際に大規模公共事業でコストプッシュ型のインフレを演出しても、その依存度に応じて効果は薄くなる。

 

体の慣れや経済のシステムと同じように、緊急事態宣言も人々が「通常状態の方が非常事態じゃないか」と感じるほど長期間に及べば、誰も緊張感を保てなくなる。緊急事態宣言という麻薬漬けの中で期間を延長してどれだけの効果があるのか。宣言延長は政治家の無策の表れであり、怠慢のツケを我々が払わされているのである。

 

支持率がない政権は、政策の裁量の余地がなくなる。各方面の意見に抵抗するほどの発言力がなくなり、分科会や医師会、革新系のマスゴミの言いなりになってしまう。菅政権は今や、マリオネットである。発言力の大きな政治団体やマスゴミに抵抗できず、政権の理念や一貫性が何なのかというのもよく分からない。何を基準にコロナ政策を行い、どんなバランス基準で政策判断しているのか、我々国民には全く見えてこない。

 

当初の期限だった5月11日から31日までに延期した際、読売ジャイアンツ擁する読売新聞の主筆、渡辺恒雄氏が激怒したと言われる。真偽のほどは定かでないが、延期の見返りに原則無観客だった大規模イベントは5,000人か収容率50%のうち少ない方での入場を可とした。ところが、カラオケ施設や飲食店への規制は1つも変更していない。

 

酒類販売で生計を立てている飲食店に対し、まさか2か月間も本業をまるまる禁止し、まともな補償もせずに駅前のテナント代と生活費を賄えとでもいうのだろうか。

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