※以下、敬称略

白洲次郎といえば、戦中戦後を通じて「もっとも海外に精通した熱い日本人」として話題となる一人である。

生家に外国人の居候がいたこともあり、流暢な英語を話し、後にイギリスに留学、多くの貴族や外交官、政治家との知己を得、敗戦後の吉田首相の影の補佐役として活躍したことでも知られている。

国際人としての顔、政界での顔、実業家としての顔、など様々な面を持ち合わせた人でもある。颯爽とベントレーを運転し、日本で初めてジーンズを違和感なく履いた男としても有名であり、三宅一生のモデルとしても登場するなど、日本人には珍しい多様さが現在でも人気の基になっているのではないだろうか。

次郎の妻正子もまた日本で初めて「能」のシテ方をつとめた女性としても知られている。