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「森発言騒動の本質は反日プロパガンダである」 西村眞悟

本日朝(二月十九日)の産経新聞は、オリンピック組織委員会の会長に橋本聖子氏が就任することを一面で報じていた。その記事の書き出しは、「女性蔑視と受け取れる発言で引責辞任した・・・森喜朗前会長(83)の後任に」となっている。何か歯切れが悪い。何故、「女性蔑視発言」ではなく「女性蔑視と受け取れる発言」なのか。

 そこで、未だGHQの言論検閲官の如く悪意をもって人の言葉を監視している者達にとっては、「女性蔑視と受け取れる発言」をしかねない者(つまり私)の観点から、この度の森喜朗氏会長辞任までの「騒動」の本質を記しておきたい。

 まず結論から言えば、この騒動は、「衆愚を利用した反日運動」だ。

 森氏は、女性蔑視の意図は無かった。しかし、悪意を持つ検閲官が、「女性蔑視!」と摘発することが可能な発言をした。これが実態ではないのか。従って、森氏が、「いやいや、そんなつもりで言ったのではないよ、しかし、誤解を与えて申し訳ない」と釈明すれば、共に東京オリンピック開催に向けて頑張っている仲間なんだから、それで済んだはずだ。オリンピック開催は数ヶ月先に迫っているのだから。

しかし、済まなかった。その理由は、マスコミとリベラルのプロが、国民大衆と世界に、森発言は、オリンピック憲章違反、世界人権宣言違反という広報活動を始めたからだ。そして、日本社会と世界に、日本には男女差別の封建的意識が根強く残存していて、八十歳を越えた頑迷固陋な森喜朗氏はその象徴だという認識を広めた。これは、事実に反するプロパガンダによる明確な「反日運動」ではないのか。

気の毒なのは、この男女差別の国日本というプロパガンダに煽らされて、東京オリンピックへのボランティアを辞退する者が現れたことだ。そして、卑しいのは、このプロパガンダに便乗して自民党幹事長に女性に対する閣僚とかの地位を要求しに行った自民党の国会議員達だ。まことに卑しい。この者達こそ、世界に対し、毅然とした誇りある日本女性を辱めた者達だ。政治の世界を、芸能界の役柄獲得の世界とでも思っているのか。

その情景を見ていて、かつて民社党が痛恨の解党をしたあとに出来た政党のことを思い出した。その新党は、元総理の海部俊樹氏が顧問となって、リベラルの風に乗ってクォーター制度という立候補者に女性を一定割合確保しなければならない制度を導入しようとした(結果は提案廃棄)。

私は、その時、海部さんに質問した。「まず、カルーセルマキはどうするのか?男として扱うのか女として扱うのか?次に、今のご時世、女であれば候補者になれるならば、必ず男が手術して女になって立候補を求めてくる、これはどうするのか?肝心なことは、男か女かではなくその人物の見識ではなかろうか!」

この度の森喜朗氏辞任の騒動を見て確信したことは、これは反日リベラル達が仕掛けているということだ。私も、経験者なのでよく分かる。いつも見かける者達が同じ仕草で演じていた。従って、彼らのオリンピック憲章、世界人権宣言違反は、「偽善」で「反日の道具」にすぎない。彼らが、本当に人権を大切に思い、森喜朗氏の発言を人権問題だと思っているのならば、ウイグル人の人権を無視しジェノサイドを続け、自国民の人権を無視している中共がオリンピックを開催することに反対しているはずだ。しかし、彼らは、そういう中共の人権無視には無関心で、ただ森喜朗氏と日本を攻撃していた。従って、アメリカの弁護士アン・コールター女史が書いた「リベラル達の背信」という本に述べられている次の一節が見事に彼らに合致していた。リベラルに関しては日米一致だ。その一節を、アメリカを日本に書き換えて掲げる。

「リベラルたちには尋常ならざる背信の才がある。世間話の最中でも、いきなり反日的な態度をとる。

彼らだって日本を愛している、とだれもが言うが、それはちがう。この国が内外の攻撃にさらされるたび、彼らは敵側につく。それが連中の正体だ。」

最後に、現イギリス首相のボリス・ジョンソンが紹介しているウインストン・チャーチルのエピソードを記しておく。それは、胆力ある男なら、女にビクビクするな、無礼な女には無礼に対応せよ、ということだ。

社会主義者の女性議員、ベッシー・ブラドックがチャーチルに言った。

「あなたは酔っていらっしゃるわね。」

チャーチルは、

「あなたはぶさいくでいらっしゃいますね」

と言い、こう続けた。

「私の酔いは朝にはさめるだろうがね」