the-diet国会

日本人を冒涜する日本政府「有罪判決」に反撃せよ    松木國俊(朝鮮近現代史研究所 所長)

去る1月8日、韓国のソウル中央地裁は日本政府に対して「有罪判決」を下し、元慰安婦とその遺族への賠償を命令した。その理由は次の通りである。

「本事件(慰安婦強制連行)の行為は日本帝国による計画的・組織的で広範囲な反人道的犯罪行為であり、主権免除を適用することはできない」

 つまり、日本の統治機構が朝鮮の女性を拉致・強制連行して戦場に駆り出し、性奴隷にしたという、韓国側が「河野談話」をもとに作り上げた虚構の物語を事実とし、これを前提にして日本政府の主権免除は適用できないと言っているのだ。

冗談もほどほどにすべきだろう。戦前・戦中に慰安婦を募集したのは朝鮮人業者である。彼らが高収入を求めて危険地域での仕事を希望する女性たちを引き連れ、戦場近くに向かったのだ。中には悪徳業者が女性を騙し、あるいは拉致して満州や上海などに売り払うケースもあり、日本人警官が必死に救助していた。そのことを報じた新聞記事は枚挙にいとまがない。

また、当時の朝鮮では貧困のために娘を業者に売る事例が多発しており、娘が売られるという情報をつかむと、駐在所の日本人警官が駆けつけて思いとどまるよう親を説得していたのが実態だった。

さらに女性が不法に海外に連れ出されるのを防ぐために、外地への渡航許可発行にあたっては厳重な審査が行われていた。上海領事館などの受け入れ側も、慰安婦が意に反して就業させられることがないように、入国審査時に承諾書、戸籍謄本、印鑑証明、「酌婦稼業」に対する経歴書の提出を求めていた。「酌婦稼業」とは売春行為を伴う仕事であり、海外の朝鮮人慰安婦は基本的に朝鮮半島での「経験者」に限られていたのだ。

これらの事実はすべて日本政府が収集した資料で証明されており、日本政府も「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」と第一次安倍内閣で閣議決定している。

韓国の裁判所はそのような史実を180度捻じ曲げて「日本の官憲が強制連行して性奴隷にした」と決めつけて日本政府を有罪としたのだ。これは日本人全体への重大な冒涜である。

現時点で日本政府は「主権免除という国際慣行を無視した判決である」と韓国側を非難しているが、それだけでは「強制連行した事実そのものは認めている」と誰もが解釈するだろう。日本政府が控訴しない以上「日本人が蛮行を犯した」という歴史歪曲が史実として確定する恐れがある。

今回の判決は明らかな国際法違反であり、日本国の主権を決定的に侵害している。「宣戦布告」とも取れる重大事であり、日本政府は国民の名誉と尊厳を守るため戦わなければならない。早急に判決理由にまで踏み込んで、韓国の歴史捏造を徹底的に論破する声明を発表し、韓国の非を世界に訴えるべきである。

さらに、強制性を認めて韓国側に桁違いの誤解を抱かせた「河野談話」も「事実誤認を生んだ」として真っ先に撤回すべきであろう。