cc「中朝国境の旅」

【連載第50回 中朝国境の旅】 思い出の丹東 鴨緑江2 野牧雅子(宮塚コリア研究所研究員)

前回、丹東の鴨緑江岸の露店に販売されていた金日成グッズと、金日成グッズの隣にあったヌード写真集を紹介した。

大和新聞の土屋敬之元都議会議員より、「中国ではあのような写真集を売って、お咎めはないのか」という質問があった。土屋元都議は金日成写真集より、あのような衝撃的なヌード写真集が、共産主義の中国の路上で堂々と販売されていることが、不思議らしかった。

鴨緑江岸にこのような露店を出すことさえ、許可されているのかどうか、分からない。もしかしたら、河岸でのこのような露店は禁止されているのかもしれないが、店主はこの地域の当局者の誰かと知り合いで、その権力者のお目こぼしで営業できるのかもしれない。また、そうでなくとも、取り締まりの役人や共産党員に禁じられたら、露店の店主はおとなしくそこを立ち退くか、或いは、賄賂を払うかすれば、この程度なら、大ごとにならずに済むのであろう。売られている公序良俗に反するようなものに対しても同じように、末端の人々は法律的基準などにあまりこだわらない。

免許停止をくらっても、人脈があれば免許停止は簡単に取り消されることができる、と中国の人から聞いたことがある。中国の取り締まりには、基準がないのだ。

裏を返すと、中国と言う社会は、権力者との人脈、金脈がないと生活ができないところでもある。中国は一見、露骨な写真集を自由に販売することのできる良き社会に見えるが、しかし、基準無き取り締まりとは、しばしば、大変恐ろしい事態に一変する。何気ない一言、何気ない行い、それが、当局の不安や恐怖、猜疑心などを呼べば、さして悪いことをしなくても、迫害の対象になるのだ。

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