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【論説】なぜ株価は景気と乖離し続けるのか

※イメージ画像

 

2021年の世界経済はどうなるのだろうか。

 

「世界経済」と一括りにした場合、見る角度によってその展望もまるで逆のものとなるだろう。株価を基準に考えれば、専門家の見方は大方が明るいものとなっている。

 

2020年末の大納会は、日経平均株価が2万7,444円で取引を終了し、1989年のバブル経済最高値3万8,915円以来の高値引けとなった。NYダウも31日、史上最高値を更新する3万606ドルで引け、コロナ禍一色の2020年だったにもかかわらず、上り調子で2021年にバトンを繋いだ。

 

ウイルスの脅威が拡大した2・3月に大暴落した世界のマーケットだったが、落ち着きを取り戻した4月以降はほぼ右肩上がり。終わってみれば日経平均は昨年末の2万3,656円を3,800ポイントも、NYダウは昨年末の2万8,462ドルを2,100ポイントも上回る1年となった。

 

よく株価は、異常な値動きがあっても「絶対の正解値」として解釈される。専門家やアナリストが「現在はファンダメンタルズを織り込んでない」「テクニカル的にも行き過ぎだ」などと批評してみたところで、その日その時点での森羅万象を受け入れた絶対値なのだから、織り込みがされていようがいまいが、その時点での正しい需給の均衡点なのである、と。

 

この考え方は正しい点と、正しくない点がある。正しい点としては、全ての現象を織り込んだ売り買いの線引きであるという点。正しくない点としては、それを「景気の指標」「経済の実態」と考える見方である。

 

損をしたくない投資家は先へ先へと予測するから、株価は半年や1年先の経済を織り込むと言われる。だからといって、株価が「将来の景気」を正確に反映しているかと言えば、それさえも株価を構成する一要素に過ぎない。むしろ、その影響力はどんどん後退しており、現在の株価を決定している主要ファクターは金融当局の意志そのものである。

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