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【論説】悪くも悪くも?中国が躍進した2020年

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10年後の世界はどうなっているだろうか。米国とほぼ対等の経済力に成長する中国は、いま以上にプレゼンスを高め、米中冷戦は現在よりもはるかに激しいものとなるだろう。かつて米ソ間で核戦争の一歩手前となるキューバ危機を迎えたように、両国のチキンレースは政治、経済、軍事、宇宙開発などあらゆる分野で一方が妥協するまで競争を続け、世界が固唾を飲む緊張の瞬間を迎えるかもしれない。

筆者は今から15年程前、書店に居並ぶ中国脅威の書籍を前にして、未来に暗澹たる思いをした記憶がある。その未来が今だとしたら、当時よりも脅威を叫ぶ昨今の警告本が指し示す未来の世界は、私たちが想像する以上に厳しいものとなるのかもしれない。

15年前、日本は現在ほど中国を意識していなかった。まだ尖閣諸島で中国漁船が海上保安庁の監視艇に衝突する事件も発生していなかった頃である。中国は靖国問題を煽り、尖閣領有権を声高に主張し始めてはいたが、日本の関心は中国よりも失われた10年の回復にあり、政治家の課題は経済をいかに好転させるかにかかっていた。

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