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【論説】大統領制は民主主義の理想形なのか

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これまで、大統領制は羨ましいと思ってきた。日本の議院内閣制は大統領制に比べて、行政のトップたる総理大臣の行政権限が弱い。第2次安倍政権誕生前の民主党政権の頃、日本の決められない政治が腹立たしく、「日本も大統領制だったら」と思ってきた。

立憲君主制国家である日本に、共和制国家の利点を付与しようという発想だが、米国の政治的な混乱を見るにつけ、民意を汲み取る難しさと、民意の危うさとを思い知らされる。

1人に権限が集中し過ぎれば賛否の対立は深まる。権限がなければ、決められない政治となる。独断即決と議論空転は水と油であり、右と左、保守と革新にもつながる。革新はしかし、平等を追求する果てに社会主義や共産主義の仕組みを取り入れた。平等の徹底にはたった1人の権限集中が必要となり、独裁や粛清が待っている。それは、国家第一主義を掲げる超保守、極右と同じ着地点となり、歴史はナチズムやソ連共産主義による大量虐殺という悲惨な教訓を刻んだ。

ものごとは正反合のアウフヘーベンによって丁度良い匙加減を見出す。中庸の徳である。儒教の例を持ち出すと反中傾向の昨今、激しいハレーションを誘導するかもしれないが、人類は物事の真理を探求する思想の中で、古代から現代まで和洋問わず、一方的な偏りがもたらす失敗をいくつも経験してきた。

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