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【論説】混乱を生む間接選挙をなぜ米国は変えないのか

※イメージ画像

予想されたことではあったが、米大統領選は混乱を極めた。トランプ・バイデン各候補が自らの勝利を確信し、対立が法廷に持ち込まれた一因が、間接選挙の仕組みにある。

2000年の大統領選でも、当選した共和党の ジョージ・W・ブッシュ氏が、民主党アル・ゴア前副大統領(当時)と争い、票の読み違いが問題となって法廷闘争まで持ち込まれたものの、最終的にゴア氏が敗北宣言をして決着した。

ゴア氏は得票数で勝っていたが、獲得選挙人の総数で敗れた。前回2016年大統領選でも、民主党候補のヒラリー・クリントン氏がトランプ氏に得票数で286万票も上回ったが、選挙人総数では74人もの大差を付けられ敗北した。米大統領選は、各州ごとに割り振られる選挙人の獲得総数を賭けた間接選挙である。大票田である西部カリフォルニア州(選挙人55人)や北東部ニューヨーク州(同29人)では民主党が毎回強く、人口が比較的少ない中西部や南部などの内陸部は共和党が比較的強いという特徴がある。

勝者総取り方式のため、50%を超える得票分は、50.1%でも100%でも得られる選挙人は上乗せされない。都市と地方で投票行動の違いが鮮明になるほど、人口の多い都市部の死票がより多く積みあがることになる。人口の多い大都市で相対的に支持される民主党は、結果的に選挙人獲得競争では効率が悪くなり、2000年や2016年の選挙結果のように、有権者の得票総数で勝利しても選挙人獲得数で敗れる機会が多くなる。

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