pet「マリの喫茶室」

【マリの喫茶室】(52) [千葉の物流倉庫クラスターに思う企業の社会的責任]

〇 何となく楽観的に

コロナ感染が拡大し始めたのが3月、はや8か月たった。インフルエンザと異なり、治療する特効薬がない、予防するワクチンもない状況に変わりはないものの、社会全体としては、コロナ感染対策を講じつつ、社会経済活動は今まで通り行うという風潮になってきている。

ただ、毎日、トップニュースでコロナ感染者数が報じられることは変わりない。

しかし、東京が毎日400人を超えた頃の危機感は薄れ、毎日100人台だと、そんなものかーとコロナ慣れ、中だるみのような雰囲気になっている。

自分自身も、毎日通勤電車に乗っているが感染していない、これまで感染しなかったのだから、これからも感染しないだろう、という楽観的な気持ちになっている。

でも、もし、感染したら、なんで自分が・・すごいショックを受けるだろう。

〇 怖いのは職場クラスター

今、感染源は、家族感染と職場感染だという。家族感染は仕方がないとしても、怖いのは職場クラスターである。

大々的な報道こそされていないが、千葉県船橋市の物流倉庫では、連日感染者が増え、今や100人近い大規模クラスターとなっている。

〇 企業の社会的責任

この件で不信感を感じることが2つある。

一つは企業名を公表しないこと。

既にネット上で流れているので事実上明らかになっているのだが、船橋市は当初、「会社の意向で」倉庫名を公表しなかった。

もう一つは、クラスター発生原因が明らかにされていないこと。

連日、感染者数は発表するが、原因の公表はない。しかし、累計で100人近い感染者を出しているのはやはり尋常ではない。

換気はしていなかったのか?

従業員はマスクをしていなかったのか?

いったいどういう職場環境だとここまでのクラスターが発生するのか?

これまでは、感染者が出る度にいちいち各企業がプレス発表しなくても・・と思っていたが、クラスターとなると話は別だ。

個人ではなく、組織の問題である。

連日新たな感染者数をただ発表するだけの行政と当該企業、双方の対応に問題があると感じる。

行政には説明責任があるし、企業には社会的責任がある。

行政は原因を究明すべきだし、企業はそれを受けて、主体的に対応を発表すべきである。

千葉県の森田知事が、緊急事態宣言時に「お国が、お国が・・」を連発し、主体性のなさで失笑を買ったが、企業も同じ。

いい加減、「保健所が、保健所が・・」という言い訳はやめよう。

当該物流倉庫は、HPを見ると従業員1000人を超える立派な企業である。

主体的に原因を分析し、再発防止策を講じてほしい。

 

(船橋アンデルセン公園 醜いアヒルの子の噴水)