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「菅内閣は、トランプ大統領支持を明確にアメリカ国民に表明せよ!」 西村眞悟

 アメリカの大統領選挙投票日まで、あと十日ばかりである。そこで、候補者のトランプ現大統領とバイデン大統領候補の二人の論戦であるが、二人ともいい歳をして罵り合いをしている。しかし、この二人の四年前の論戦は、我が国にとって素晴らしかったことを我々日本人は覚えておくべきだ。

 あの時、まずトランプ大統領候補が、「日本も核をもつべきだ。」と言った。これに対し、オバマ政権の副大統領だったバイデン氏が、トランプ氏の無学をあざ笑うように、「アメリカは、日本が核を持てないように日本の憲法を書いたのだ、君はそんなことも知らないのか。」と反論した。これ、非常に有意義な論戦ではないか。トランプ氏は、日本がおかれている国際環境においては、世界の軍事専門家が「日本は核を持って当然だ」と認める適切なことを言ったのだ。他方、バイデン氏は、日本国憲法を書いたのは日本人ではないから、日本国憲法は無効だという結論に至る事実を言った。

これ、日本の戦後体制をぶっ飛ばす素晴らしい発言だ。「日本国憲法無効」ならば、「大日本帝国憲法」が甦る。即ち、我々は、自衛隊を軍隊にして帝国陸海軍を回復できる。これこそ、安倍前総理が掲げた「日本を取り戻す」ではないのか。

 トランプ氏とバイデン氏に関し、先ず、以上を指摘した上で、現在に戻って、この二人が繰り広げている大統領選挙について記しておきたい。

 先ず第一に、現在、既に中共との第二期冷戦が始まっている。これは米中二国間の冷戦ではない。自由主義対ファシズムの闘争である。しかも、中共は、十五億を超える膨大な人口を抱え、巨大な経済力と軍事力を保有して東の太平洋に進出してきている。そして我が国は中共とは一衣帯水の東の海洋にある国家である。即ち、我が国は、この冷戦の傍観者ではなく当事者なのだ。従って、冷戦の当事者として、アメリカ大統領が誰なら冷戦に勝てるかという見地から判断すべきである。その結論を得るために、まず、ソビエトとの第一期冷戦に勝利したレーガン大統領に対して、トランプ氏とバイデン氏が如何なる態度をとったのか振り返ることが重要だ。

 一九八〇年、カーター大統領を打ち破ってレーガン大統領が誕生した。彼は、国内では独裁体制、国外では恫喝を行うソビエトと妥協することに絶対反対する姿勢を堅持していた。アメリカのリベラル達は、レーガンを戦争屋、危険なカーボーイ、二流の映画俳優と非難した。しかし、レーガンは怯まず、一九八三年、スターウォーズ作戦、即ち核ミサイル防空システムSDI計画を発表し軍事力増強に乗り出す。このSDI計画が、後のソビエトのシステム崩壊とイデオロギー放棄の切掛けになったのは歴史的に明らかである。即ち、レーガン大統領は、かつてヒトラーの要求に応じてズデーデン地方のドイツへの割譲を承認したイギリスの「ミュンヘンの宥和」が、第二次世界大戦の引き金になったという歴史の教訓に頑固に従って成功したのだ。

 では、このソビエトをSDI計画で追い詰めてゆくレーガン大統領に対し、バイデン氏はどういう態度をとったのか。彼は、レーガンを「危険なカーボーイ」と罵っていた。トランプ氏がどういう態度をとったのかは、その時、彼は実業家だったから分からないが、大統領になってからの発言では、レーガン大統領を見習おうとしているし、彼の政権のペンス副大統領やポンペオ国務長官の演説から、中共に一切妥協することなく、その崩壊を目指すというレーガン路線を進もうとしていることが分かる。

 従って、我が国は、対中共冷戦つまり自由主義とファシズムの闘いの当事者として、旗幟鮮明、明確にトランプ支持を表明し、安倍前総理大臣は、アメリカに行って、アメリカ国民に、香港を飲み込んでさらに台湾を狙い太平洋を制圧しようとしている中共を、押しとどめるアメリカ大統領はトランプ氏であると表明したらどうか。

 同時に菅現内閣は、尖閣諸島を断固として守る軍事態勢を自衛隊に発令し運用するべきである。中共が執拗に尖閣を狙うのは、正面から狙えば大騒動になるから、目立たない裏(尖閣)から台湾と沖縄本島を奪うためである。つまり、中共は、尖閣を台湾と沖縄本島を奪う橋頭堡にしようとしているのだ。中共が尖閣に、ミサイル基地と港湾を造れば台湾と沖縄本島は中共の掌中に入る。そして、それは全日本が中共に屈服することを意味する。

七十五年前に、我が国はアメリカに屈服したが、その屈服は、東シナ海の制海権を失った時点で確定していた。大都市を空爆し原子爆弾を落とさなくても、制海権を失った我が国は屈服せざるをえない。よって、中共は、大東亜戦争末期にアメリカがしたことを、今、我が国にしようとしている。それは、沖縄本島を攻略することではない。同じ効果は、尖閣を手に入れれば、自ずから生まれる。中共は、七十五年前のヤンキーより巧妙ではないか。

 従って、菅内閣は、我が国固有の領土である尖閣と周辺の海空を断固として守る軍事態勢を構築し、今度、中共の公船が尖閣領海に侵入すれば撃沈を命令すべきである。

 最後に、アメリカの背信的なリベラルに支配されたマスコミは、中共の工作員と民主党が仕掛けるトランプに不利な情報を垂れ流し、日本のマスコミもそれに従うだろう。四年前も同じだった。しかし、四年前、トランプ氏が勝利した。この度も、そうなるだろう。