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【論説】絶滅しないM資金の手口

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忘れた頃に新聞の見出しに登場するキーワード「M資金」。今年6月にも、M資金を謳った総額31億5,000万円の詐欺容疑で、神奈川県警は3人の男を逮捕した。

M資金とは、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が占領下の日本から財宝や資産を接収し、その一部を政府が今でも極秘運用しているとされる秘密資金である。Mの由来は、マッカーサー元帥の部下、GHQ経済科学局長のウイリアム・マーカット少将に由来するという説が有力である。

GHQ統治下で誕生した言葉を原資に手数料を詐取する古典的な詐欺手法である。誰もが知り得るインチキ臭い話が、なぜ戦後75年も経つのに通用しているのか。それは、不特定多数を相手にするのではなく、選ばれたごく少数の経営者や有名人、資産家だけをターゲットにして、たった1人から数百万-数千万円という巨額の手数料を一気に持ち逃げする手口が被害届を出にくくさせている点にあるとみられる。

大企業の経営者や資産家は、国家的規模の事業に携わる機会があっても不思議ではない。そうした人に近づき、「極秘の案件だから」と唆して一対一の内緒話を始める。数百億円から数兆円に上る巨額の融資と返済不要を持ち掛け、数%だけの手数料を振り込むように指示される。振り込まなかった場合、署名、捺印された念書の公開をチラつかせ、恐喝に切り替えることもある。

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