scurity「セキュリティこそわが原点」

【セキュリティこそ我が原点!】36 帰って来た地上最強の男!その男 八巻健志 栗林寿行(地域セキュリティアドバイザー)

私のセキュリティの原点は、ガーディアン エンジェルスである事は皆もご承知だと思う。

しかし、ガーディアン エンジェルスに入る前に芦原空手と極真空手をやっていた事が、その道に進む原動力になったのが事実である。

 

二十代の半ば私は当時の極真会館城南支部渋谷道場の門を叩いた。

当時の指導者は、八巻健志。

鋭い眼光に恵まれた体格、そして巨体に似合わず華麗なる蹴り技。

熱い視線を後輩に注ぎ厳しくも丁寧な指導を行なっていた。

稽古が終わり、見学していた私に近づいて来た。

全日本の試合で見せる表情とは全く違う優しい笑顔であった。

私は、その場で渋谷道場に入門した。

八巻先輩のキャラクターが反映されていたのだろうか、厳しくも楽しい雰囲気で先輩も、同期も素晴らしい人達の集まる道場であった。

 

約二十五年前に極真会館城南支部渋谷道場にて。

 

 

八巻先輩は、全日本優勝、全日本ウエイト制重量級優勝、そして、極真一番の荒業として達成者がほとんどいない100人組手を完遂してからの世界大会優勝と、全てのタイトルを取った。

まさに最強の男である。

極真を離れ、アメリカに渡り八巻空手をロスに興し約二十年アメリカのみならず、世界に渡り八巻空手いや、八巻イズムを広めていった。

 

そして今回、地上最強と呼ばれた八巻健志先輩が日本に戻って来てセミナーを行った。

私はいてもたってもいられず、セミナーに参加した。

 

セミナーが始まる。

内容は、想像を遥かに超える内容であった。

試合用の空手でなく、武術としての空手を追求している八巻先輩の稽古は新鮮であった。

休憩中や終了後も、熱く語り合った。

何故?試合用空手でなく、武術空手を?

語り合ううちにわかった、生き残る為だ。

犯罪大国アメリカに渡り空手を広める事の大変さは、恐らくこの平和な日本で暮らすみなさんには理解は出来ないだろう。

サウスセントラルと言うロスでも、治安の悪い場所に住みBGMが銃声という環境。

道場破りと言う昔の時代に出てきそうな輩など常に危険に囲まれての空手普及活動であった。

 

長きに渡る修行の中で得た一つの答えは、姿勢の正しさ。

八巻先輩がランドリーに通う時にある家の前を通ると、獰猛なピットブルが吠えまくっていたらしい。

ある時、背筋をピンと伸ばして武術的な歩きをしたら、ピットブルは一切吠えなくなったらしい。

そして、危ない連中がたむろする場所を歩く時もその歩きで凄まじいオーラを感じた連中はさーっと道を開けたとの事だ。

犬も人間も結局は同じだ、何とも言えないオーラを感じ距離を置くのだろう。

このオーラを身に付けるには稽古しかない。

さあ!みなさん生き残る為にも、犯罪者からしたら、何とも言えない異様なオーラを出せる様にアクションを起こそうではないか。

 

 

二十五年振りの再会。

現役時代と変わらない身のこなし。そして、一撃で相手を粉砕する突きを身につけて地上最強の男は日本に帰って来た。