ken「筆は剣よりも危うし」

【ペンは剣よりも危うし】 [虎狼難(ころな)の後に] 三澤浩一(部客)

 

 このたびの豪雨でお亡くなりになった方々のご冥福をご祈念申し上げるとともに、行方が不明となっている方々のご無事をご祈願申し上げる。また、被災した方々にお見舞い申し上げるとともに、今後の被害が少ないことをお祈り申し上げる。

 

 所詮は人間である。大自然の前では、あまりにも弱い。災害も疫病も恐ろしいものである。親愛なる読者の皆さん、くれぐれもご自愛ご自衛いただきたい。

 

 神武肇国以降、我が国史上に輝く偉業の一つとして、明治維新がある。そして、我が国史において、有為な人材を最も多く輩出した時代は幕末から日露戦争までの間、すなわち明治維新の前後といえる。何十年という年月は人間の一生から見れば長い時間と感じるが、今年で2680年という我が国史から見れば短い時間、まさに瞬間である。しかし、我が国の英雄や偉人を100人選ぶとしたら、明治維新の前後という短い間に半数近くの方々がいることがわかるだろう。この奇跡は、我が国にとって幸運であった。ただただ感謝するしかない。

 

 明治維新という大偉業の前夜ともいえる幕末の動乱期、我が国は災害や疫病に苦しめられた。疫病といえばコレラが有名だろう。開国した頃にはコレラが蔓延したが、当時はコロリと呼ばれていた。『広辞苑』で「コロリ」を調べると、漢字では「虎狼痢」「古呂利」とある。緒方洪庵が著した医書には「虎狼痢」と記載しているとのことだ。虎狼痢……。さすが昔の日本人は漢字の使い方が素晴らしい。

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