intelligence「対中国インテリジェンス戦争最前線」

[香港版国家安全法制定は一国二制度の終焉を意味する] 石井 英俊(自由インド太平洋連盟 副会長 兼 日本代表)

 5月28日、中国全国人民代表大会(全人代)において、香港に国家安全法を制定する決議が採択された。この後、6月中にも全人代常務委員会において具体的法律が策定され、早ければ同月中にも香港において公布施行される。

 本件に関する認識が日本国内においてどうも鈍いように筆者には感じられる。香港の友人の言葉を借りれば、香港においてはまさに「この世の終わりが来た」という雰囲気だとのことだ。全人代での決議案として発表された5月21日から本日までの時点で、すでに多くの香港市民が香港域外(多くは台湾)への移住を模索している。1997年にイギリスから中国に香港が「返還」される直前にも多くの香港市民が海外へと移住したが、まさにその時に匹敵する事態が起きているのだ。

 この国家安全法の制定とは、昨年大規模なデモの原因となった逃亡犯条例などとは全く次元が異なる重大事態である。現時点で判明しているだけでも、国家分裂罪、外国勢力との共謀罪、秘密警察の設置などがある。分かりやすく言えば、前稿で筆者が紹介した香港独立派の陳浩天氏は、独立という主張をしている時点で国家分裂罪で死刑となる。主張自体が犯罪とされてしまう。また、私のような海外勢力と共謀しているということでも死刑、ということになる。そのため、私自身も、香港に多くの友人や仲間がいたが、5月21日に本件が判明して以降は関係を遮断することとした。彼らの命に関わる問題だからだ。

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