ken「筆は剣よりも危うし」

【筆は剣よりも危うし】 [愚にして烈だが卑ではない] 三澤浩一(武客)

 これは愛すべき好漢、桂田智司へ贈る賛辞である。

 

 この「愚にして烈だが卑ではない」は、城山三郎の伝記小説『粗にして野だが卑ではない―石田禮助の生涯』を真似したものだ。戦前の国際派財界人、三井物産の商社マンであった石田禮助が戦後、当時の内閣総理大臣の要請により、日本国有鉄道の総裁に就任したとき、国会で述べた自己紹介である。城山の書名というよりも、石田の言葉というべきか。

 

 行動右翼の教範ともいうべき桂田の人物は、良い意味でも悪い意味でも「愚」であり、なんといっても「烈」となる。「愚烈」である。「愚劣」ではない。「愚烈」だ。桂田の「愚」には「痴」や「劣」の意味はなく、別の字にすれば「直」であり「純」となる。「愚烈」とは、桂田に対する最高の称賛なのだ。この「愚烈」を漢字1字で表せば、吉田松陰がいう「狂」となる。

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