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【ストップ・ザ・左翼政局】  政局優先の左翼野党 ‼ タライの水と一緒に赤ん坊を流しても鈍感   鳥居徹夫(元 文部科学大臣秘書官)

国家公務員の定年を現行の60歳から段階的に65歳に引き上げる国家公務員法の改正案が、衆議院の内閣委員会で審議されていたが、政府は今国会での成立を見送る。

この定年延長は、関連する警察官、検察官、そして裁判官などにも同様にスライドさせるために、検察庁法の改正法案なども含めて国会に提出され、審議されていた。

 

🔶 野党の一人芝居で、蒸発した公務員の定年延長 

立憲民主党などの野党は、国家公務員法案審議で検察庁法改正案も一括審議されることに「内閣の恣意(しい)的な人事が行われる」などと異議を唱え、また左翼メディアも検察庁法改正案への反対キャンペーンを展開した。

野党は、改正案の衆院通過を阻もうとし、武田良太・国家公務員制度担当大臣の不信任決議案提出など、審議引き延ばし戦術を図った。

しかし国会審議は順調に進み、5月中旬には衆議院を通過する見込みとなった。

衆議院の内閣委員会は、野党の抵抗にも関わらず5月19日の採決予定となったことから、野党は採決阻止・妨害の行動を予定し「与党の強行採決」と世論に訴えようとした。

ところが政府は、今国会では成立を見送った。

野党は実際のところ、与党に採決を強行してほしかったようだ。

野党の本音は、強行採決で国家公務員法と一緒に検察庁法も通って、内閣支持率が下がることを期待していたのではないか。

検察庁法改正案も国家公務員の定年延長法案も、一緒に流れてしまった。

 

🔶 厳しい雇用環境、公務員だけが定年延長なのか 

そもそも政府与党が国家公務員法改正案の成立を見送ったのは、コロナ感染拡大による厳しい雇用環境、経済情勢による。

参議院自民党幹事長の世耕弘成は「国家公務員や地方公務員だけ給料も下がらないまま、5年も定年延長されていいのか」「いま雇用を失った若い人や、あるいは就職氷河期で非正規の人たちこそ、公務員として採用することも考えていかなければいけないのではないか」と指摘した。

さらに「国家公務員、地方公務員の定年延長という話は、そもそも人手不足の経済環境・雇用環境を前提に議論されてきた」「その前提条件は大きく変わった」と解説した。

立憲民主党国会対策委員長の安住淳は「コロナのときに、こんなにエネルギーを費やして、国民世論を巻き込んでやっているのに、今になってこの法案で65歳の定年おかしいなんて」「自民党の責任者がそんなことを言い出したら、与党をやめた方がいいですよ、統治する力がないということだから」と、八つ当たりした。

要するに「反アベ」の政局がらみの国会対応であったのである。

コロナで厳しい景気状況、雇用状況にある。この状況で、公務員が定年延長していいのかどうかとなった。

野党も賛成してきた公務員の定年延長の是非そのものが焦点になった。

 

🔶 働き方改革関連法で、連合要請を受け入れた自民党 

昨年4月から、働き方改革関連法が施行されている。

この法案審議で、廃案を目指した民進系や左翼野党は猛抵抗した。

 働き方改革関連法の中身は、①罰則付き長時間労働の規制、➁同一賃金・同一労働の法制化、③高度プロフェッショナル制度の創設、④年休の計画的付与と取得、⑤労働者の健康確保措置および安全配慮義務、など。

 とりわけ「同一賃金・同一価値労働」と「時間外労働(残業)の上限規制に抵触した場合の罰則規定が法律に明記された。

 労働団体の連合は、「罰則付き時間外労働の上限規制」「同一賃金・同一労働」が法律に盛り込まれたことや、新設された高度プロフェッショナル制度についても国会での付帯決議などを受け運用も厳格となったことを評価していた。

 ところが民進党系の抵抗野党は、審議引き延ばしで廃案を目指した。

この「働き方改革関連法案」に反対であったのは、新興の経営者や人件費抑制のため外国人労働に置き換えようとする中小企業者であった。

つまり人件費を抑制したい悪徳経営者と、民進党系の野党の利害が一致していたのである。

当時、政府自民党と連合は「働き方改革関連法案」の成立を求めることで共通していた。

連合の主張に沿った法体系の整備は、政府自民党の進める一億総活躍社会の理念と方向性は同じであった。

こともあろうに、連合と自民党の思惑が一致していた。

ねじれが生じているのは、一部の経済界と自民党だけではない。連合と抵抗野党の間も同様に、それ以上に捻じれている。

抵抗野党は、法案の可否よりも「反アベ」の政局がらみなのである。

はじめに反対ありきの抵抗野党は、「タライの水ととともに、赤ん坊まで流してしまう」ことに、あまりにも鈍感といえよう。