from-the-editorial-department編集部より

一国二制度と言う嘘

イギリス香港提督は、香港返還の時「中国の一寒村にすぎなかった香港が、これほどまでに発展したのはイギリスの統治があったからだ」と言った。
 
本当だ。
 
その香港の一国二制度が瀕死と言うより、幻影に終わろうとしている。
共産党一党独裁の北京。全人代と言う議決機関があるが、民主的な選挙をやった試しがない。
単なる拍手をする人形だ。
 
そんな統制された国が、西欧民主主義を認めるわけはない。北京はそんなことは百も承知で壮大な嘘をついた。
 
今頃になって香港は共産主義化されると言った恐怖が広がっていると言うが、共産主義が、相手に寛容であった試しがない。
 
密告、拷問、強制収容所は共産主義につきもの。身内の密告も奨励される。
 
北京が、チベット、ウイグルでやっていることを考えれば、北京の統治とはどんなものか容易に察しがついていたはずた。
 
それを「中国の一部」である香港に外交、防衛を除く分野で高度の「自治」を50年維持すると言う約束を信じた。
 
一部の若者たちは、期限を迎える2047年以降は独立を含めて住民投票できめるべきだと主張しているが、そんなことは絵に描いた餅。
 
共産主義者に妥協した結果がこれだ。
「共産主義に対する譲歩は敗北の一歩だ」と言ったチャーチルのことばを忘れてはならない。
 
習近平は笑っている。
 
更に北朝鮮外務省報道官が、「国家安全法」導入について、『一国二制度に基づく香港の安定と繁栄を実現するための合法的措置』で、『全面的に支持する』と言った。
全体主義ファシズム国家が「合法的」だと言うのだから、ある意味「ご立派な」法律だと言える。
 
それはそれとして、わが国政府はくすんとも反応しない。この事件の頭目、習近平の来日は「見合わせ」るとするのが、自由主義を標榜する国家の当たり前の姿だが、その兆しさえない。
 
一体この国の政府にとって大切なのは何だろうか。