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【論説】華厳の滝で自殺、その勇気と行動力があれば…

藤村操が樹木に彫刻した『巌頭之感』(ウィキペディアより)

弁護士ドットコムのニュースで、男子高校生による「華厳の滝」(栃木県日光市)での自殺が報じられた。

 

同ニュースによると、栃木県警が10月4日、埼玉県の男子高校生とみられる遺体を収容した。遺体は滝の頂上から約60メートル下の岩場だったため、大型クレーンなどを投入して総勢70人以上で引き上げ作業を行った。この結果、約300万円の費用がかかったため、遺体を引き取る場合は遺族に請求することになるという。ただ、遺体を引き取らなければ相続放棄により費用を払わずに済む選択もあるという。

 

このニュースを見たとき、藤村操の『巌頭之感』と、自身の中学時代を思い出した。かつては身投げの“聖地”のように扱われた華厳の滝で自殺をするくらいだから、男子高校生は長く真剣に死と向き合い、自らの答えを出したのだろうと想像がつく。誰しも人生に一度は脳裏を掠めるであろう自殺。私は中学生の頃、道徳の教科書で初めて華厳の滝から飛び降りた藤村操(享年16)の『巌頭之感』を知った。1903年5月22日、身を投げる直前に彼が近くの樹木に彫り刻んだ遺書だ。

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