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【ストップ・ザ・左翼政局】    「出て殖やし 入っては貯める 小沢流」 銭ゲバ 小沢一郎の狙いは、国民民主党の財布   元 文部科学大臣秘書官  鳥居徹夫

通常国会が始まる直前に、国民民主党と、小沢一郎らの自由党が衆参両院での統一会派を結成、立憲民主党は社民党と参院での統一会派を結成した。
国民民主党の玉木雄一郎は、小沢自由党と合流させる方針ありきで、すでに合併に向けた政策協議をすすめている。
ところが両党とも、数合わせを優先するあまり、進めているのは政局認識であり、政策には興味がないのではないか。
 
かつて小沢一郎が民主党代表の時、突如として福田康夫首相(当時)と大連立構想を打ち出し、党内の反発で引っ込めたことがあった。
この自民・民主両党の大連立構想は、党内議論もなく、明らかに民主党のマニフェスト違反であった。しかも党大会で決定した運動方針(政権交代を目指す)に反するものであったが、小沢一郎は統制違反で懲罰を受けることはなかった。
小沢一郎は、2月15日の政策協議の後、「基本の方針にたいした違いはない。あとはどういう表現にするかだ」と記者団に語り、早期合意を目指す姿勢を重ねて示したという。
 
🔶「お山の大将」であり続けたい玉木に、小沢の毒牙が 
 
一方、国民民主党も、代表の玉木雄一郎に党内の求心力もなく国民へのアピール力も魅力もない。
党運営を小沢一郎の腕力でもって支えてもらうことによって、「お山の大将」であり続けたいのであろう。
国民民主党は衆参あわせて56人の議員がいるが、支持率は1%程度に低迷しており、現職議員の離党が止まらない。
玉木雄一郎は、「弱り目にたたり目」で、自分に魅力も指導力もないことへの焦りが強いのではないか。
 
国民民主党には、民主党~民進党の流れから蓄えた100億円とも言われる党資金がある。
さらに今年支払われる予定の政党交付金は、試算によると国民民主党に54億600万円で、自由党の2億7500万円の約20倍とされる。
国民民主党の財布は、小沢一郎にとっても魅力的と言える。
 
昨年5月の国民民主党の結成時に、小沢一郎の意図を受けたスリーパセルをもぐりこませていた。小沢直系には、小宮山泰子や牧義夫などがいる。
求心力のない玉木雄一郎は、貧すれば鈍するで、小沢一郎の誘いに飛びついた。
小沢一派の工作員らは、まずは自由党との合流の前段として国会では同一会派を組み、国民民主党と自由党が合流した新党結成への流れに、小沢の毒牙が着々と浸透している。
 
🔶離党者を出し参院選で惨敗すれば、党資金は残りの議員に 
 
玉木雄一郎は小沢一郎に、合流した新党の幹事長を要請したいと考えているようだが、小沢一郎は拒否するであろう。
その表立った理由は、新党の運営に波風を立てないためということではないか。ところが本音は、夏の参議院選挙で惨敗し、離党者が相次いで玉木が失脚した時に、その時の幹事長も責任を取らされるでしょう。
そして「やはり小沢一郎」という小沢待望論を仕掛け、党の代表となり人事とカネの実権を握るためであろう。
そして解党を突如として宣言し、党資金を小沢グループと旧国民民主に所属議員数の比率でもって山分けすることを狙っているからではないか。
 
党資金の分配は、議員数が少ないほど議員一人当たりの分け前が多くなる。つまり離党者を多く出し、参議院選挙で惨敗した方が、残った議員数が少なくなり、議員一人当たりの党資金の分け前が多くなる。
かつて新進党が解党した時は、党の資金はその直後に分党した政党の所属議員数によって分配された。
小沢一郎は、自ら作った新生党と(旧)自由党を、他党と合流した際に、自党の解散時の党財政を自らの政治団体に寄付(横流し)するという錬金術で、党資金を自分たちのグループだけで私物化を図ってきた。
 
政党助成法ができて以降、政党の解散により残金を国庫に返還したのは、渡辺善美の「みんなの党」だけである。
小沢らは野党の結束とか一本化と、口先では言っている。
山本太郎は、国民民主党と同じ会派でありながら、2月1日の参議院本会議で「立憲民主党のカラーに野党を染め上げて頂きたい」「ぜひお力を貸して頂きたい」と演説したが、小沢にとっては、カネのない立憲民主党は当初から対象ではなかったとも思える。
「魚を釣るにはエサが必要だが、釣り上げた魚に餌を与える必要はない」これはまさしく、小沢一郎の銭ゲバぶりを象徴している。

 
(敬称略)