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ブラジル大統領選 極右・ボルソナロ氏が首位。決戦投票へ。

 7日に投開票となったブラジル大統領選は、選挙前の世論調査のとおり極右・社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員(63)が最多の得票を集めた。
 
 同氏の得票率は46%に達し、他の候補を圧倒したが、選挙を決する過半数の得票には至らなかったため、決着は決選投票へともつれ込むことになった。
 
 2位は左派・労働党のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長(55)で得票率は29%。両者によって争われる決戦投票は28日に実施されるが、世論調査ではややボルソナロ氏がリードするという結果も出ている。
 
 また、大統領選と同日に実施された連邦議会選挙でもボルソナロ氏の社会自由党が大躍進を果たした。定数513の下院でわずか8議席だった社会自由党は、7一気に52議席を得る見込みだ。
 
 ブラジル世論は長年の景気停滞と治安の悪化、汚職の蔓延の原因を左派・労働党と既成政党にあると見ており、ボルソナロ氏と社会自由党に国民の期待と支持が集まっている。ブラジル国内では2度と労働党に政権を渡せないという層の勢いは増しており、ボルソナロ氏は第1回投票の勝利演説で「もうこれ以上、左に一歩たりとも進むわけにはいかない。社会主義や共産主義といつまでも仲良くすることはできない」と国民に呼びかけた。
 
 ボルソナロ氏は伝統的な家族の価値を守ると主張し、キリスト教福音主義者と保守層から多くの支持を得た。治安対策の強化を打ち出すことで富裕層からの支持も取り付けている。
 
 一方で過去の軍事独裁政権を礼賛するような姿勢や女性、同性愛者、貧困者を中傷するような発言を憎む国民も多いとされる。
 
 決戦投票の結果はブラジルの未来を大きく左右することになりそうだ。