scurity「セキュリティこそわが原点」

【セキュリティこそ我が原点!15】 「再び情熱のリオデジャネイロへ!(後編)」   地域セキュリティアドバイザー 栗林寿行

街はカーニバルで盛り上がりをみせている中、我々はパトロール活動を行う。
ファベーラの入り口付近には兵士が立っている。
ファベーラの住人が犯罪を起こさない様に警戒しているのだろうか?
それにしても、ライフルのトリガーに指をかけ銃口を地面に向けての警戒は勘弁してくれ。
何らかの拍子でトリガーを引き、跳弾にでも当たったら洒落にならん。
 
リオデジャネイロの街は相変わらず治安は悪い。
ある程度のインテリ層は、ガーディアン エンジェルスの存在を知っていて歓迎していた。
その人達が大体同じ事を言う。
「治安の悪さにいい加減疲れた。」
真面目に暮らしている人々にとってはこの治安の悪さは精神的負担だろう。
 
車に乗って信号待ちをすれば、数人の子供が寄って来て勝手に窓拭き掃除をして金をせびる。
夜は赤信号に引っかからない様に信号近くでは、微調整しながら運転している。(信号待ち停車でホールドアップの可能性がある。)
 
そんな街で、パトロール中にトラブルを起こし必死に逃げる子供を現地メンバーと追いかける。
袋小路に追い詰められたが我々に向かって抵抗をする。
その時の子供の表情は私は忘れる事はないだろう。
こちらを向き、まるで、狂犬の様に、うめき声を出して威嚇したのである。
もはや、人間と言うよりも獣だ。
ま、そうは言っても子供は子供。
現地メンバーが取り押さえて隠していたナイフを取り上げた。
 
まだ小学低学年のこの子供は今どんな大人になったのだろうか?
いや、ギャングになり既に対立メンバーに射殺されているかも知れない。
 
小学生低学年の対応で後味の悪さを残しながらも帰国の日が来た。
 
リオデジャネイロは、確かに危険で危ない街だ。
油断すれば、金どころか命も取られるだろう。
危機感のない間抜けな日本人が行けばいいカモだ。
しかし、なんとも言えない魅力がある街でもある。
年に一度のカーニバルの為に生きている様な人もいる情熱的な場所だ。
危機管理能力のある方は是非訪れて貰いたい。
非常に魅力的な街である事はわかるはずだ。
 
リオデジャネイロ支部長は、GAが昔から大好きで憧れていたらしい。
支部認定のはるか昔からおなじカッコをして夫婦でパトロールを行なっていた。
長年の夢が叶い正式な支部として活動をしている。
帰国時に記念にもらったTシャツを見る度にリオデジャネイロにまた行きたいと思う。
日本からはあまりにも遠いリオデジャネイロでも、GAは地道な活動を行っている。
 
所で、最近ついに日本は外国人労働者政策を受け入れてしまった。
詭弁を言おうと、これで移民受け入れ国家の誕生だ。
先程の様な小学生の様な環境で生まれ育った人々が絶対に日本に入って来ないと断言出来るだろうか?
 
相変わらず全く危機感も責任感もない役人と政治屋達のおかげで我々日本に住む日本国民が犯罪者の毒牙にかからない事を祈るばかりである。
 
 
(写真)このTシャツが、GA支部認定前にリオデジャネイロ支部の連中が着ていたシャツ。