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【論説】またも繰り返された国会軽視の野党パフォーマンス

「カジノより被災地を助けて」などの垂れ幕を掲げる山本氏ら(参議院本会議の動画より)

 
参院本会議場での採決の際に壇上で垂れ幕を掲げた3野党議員に対し、参院の伊達忠一議長は、参院懲罰委員会に付託することを決めた。
 
3氏は自由党の山本太郎と森ゆうこ、参院会派「沖縄の風」の糸数慶子の各氏。統合型リゾート(IR)実施法の採決で、議長の制止を無視して「カジノより被災者を助けて」などと書かれた垂れ幕を広げて訴えた。
 
山本氏に至っては、内閣委員会でも委員長から原稿を強奪し、その際に委員長にけがを負わせマイクを破壊するなどやりたい放題。これについても懲罰に値するのではないかと提起されたが、参院議長の厳重注意にとどまった。
 
しかし、同様の注意を過去に何度も受けている。2013年10月の園遊会では、今上天皇に書簡を直接手渡す不敬を働き、2015年9月の安全保障関連法の採決では数珠を手に喪服を着て投票を行い、安倍首相ら閣僚に焼香するしぐさを行った。当時の山崎正昭参院議長は「次は容赦しない。議員バッジを外すことになるかもしれない」と厳しい警告をしている。
 
森ゆうこ氏もお騒がせ常習犯である。2003年7月のイラク特措法案(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案)の参議院外交防衛委員会での採決で、委員長席のテーブルに登って大腿を露出させながら与党議員の髪を掴んで頭を殴りつけている。女子プロレスのリングと間違えているのではないかと言いたくなる。
 
国会などの場でこうした愚挙を繰り返し、一部の有権者から「一生懸命に仕事をしている」と勘違いさせることが彼らの政治活動のようだ。だが、立法機関でこうした暴力行為や強奪行為が当たり前のように行われていいはずがない。
 
言論の府でこうした実力行使を行うことに対して、即座に辞職勧告を発令する決まりを設けられないものか。立法を司る公共の中の公共の場が、あまりに軽視されている。教育上も、国政上もマイナスでしかない彼らの行為を、マスコミがもっと厳しく断罪し、懲罰を後押ししなければ、国会改革そのものが進まないのではないだろうか。