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無料で楽しむ永田町・霞が関(1)

 ゴールデン・ウィークの新しい過ごし方に、永田町や霞が関を散策してはいかが?――連休中の人気スポットといえば、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの娯楽施設が定番だ。一見、こうした華やかな施設とは対照的なイメージのある官庁街だが、無料で見学できる施設が沢山ある「社会科見学の宝庫」であることは、あまり知られていない。休日こそ閉まっている建物が多いものの、連休の谷間となる5月1日や2日に日本の中心をウォーキングして知的好奇心を刺激すれば、政治や行政がぐっと身近な存在になるだろう。
 
●午前中は永田町を散策
 多くの小学生が社会科見学で訪れる国会。大人になってから再訪すれば、きっと興味の質が変わっているだろう。平日の午前9時から午後4時まで、参議院参観受付窓口(国会議事堂の裏側)で、5分前まで受付けている(本会議が開かれる日は時間帯が変則するので注意)。
 
 国会見学を終えたら、通りを挟んだ北側の国会図書館に移動するのが定番コース。館外貸し出しはできないが、資料の閲覧や複写などのサービスを利用できる。新館ホールでは時折、展示会も開催している。
国会図書館「特集展示」→
http://ndl.go.jp/jp/event/index.html
 
 それが終わると、通りを東に3分歩いて憲政記念館へ行こう。頻繁に企画展や特別展が行われているほか、常設展には実寸大の本会議場の演壇や議席で議員になった気分を味わうことができる。憲政史シアターや立体ビジョンコーナーでは歴史体験を視覚的に学べるほか、明治維新のファンにはたまらない薩長同盟裏書(複製)や新政府綱領八策(複製)を間近に見ることができる。
 
 憲政記念館は江戸時代、桜田門外の変で暗殺された大老・井伊直弼の屋敷があった場所だ。1860年3月24日午前9時頃、ここから桜田門に至る道中を、井伊直弼を駕籠(かご)に乗せた彦根藩士総勢60人の大名行列が練り歩き、桜田門外に差し掛かったところで水戸・薩摩藩の浪士らに襲われ、殺害された。
 
この事件で幕府の権威は失墜し7年後の1867年10月14日、徳川慶喜が大政奉還し、明治維新へと突き進んでいく。約150年前、歴史の転換点となったこのエリアは右手に国会議事堂、左手に皇居、前方に警視庁が佇む日本の中心地。自らの足で歩いて約150年前に思いを馳せてみれば、先人達の声が聞こえてくるかもしれない。
憲政記念館→ 
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kensei/kensei.htm
 
 桜田門まで来たら、農林水産省へランチに行こう。次回は霞ヶ関を特集する。