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民進北神圭朗衆院議員インタビュー1「民進党として何をやりたいのかはっきりと示さなければいけない」

民進党新代表に就任した前原誠司衆院議員(Photo/松原 久)

1日、民進党・蓮舫代表の辞任に伴う代表選が行われた。選挙戦の中で、野党連携のあり方が争点の一つとなったが、共産党との協力関係について見直す姿勢を明らかにした前原誠司元外務相が、共産党との選挙協力路線継続を訴えた枝野幸男元官房長官を破り、新代表に就任した。

 北神圭朗衆議院議員は、前原氏と同じ民進党京都府連に所属し、前原氏とは政治家になる前から30年来の付き合いがある。

今回の代表選では、前原陣営に入り勝利に貢献したが、共産党との協力関係見直しについて、前原氏よりさらに踏み込んだ発言を繰り返してきた。

 やまと新聞では、代表選の真っただ中である先月24日に、北神氏に単独インタビューを行った。(聞き手/松原 久)

やまと「今回代表選が始まったが、やまと新聞は、民進党が本当に再生できるのかということに注目して取材を進めている。

 その中で、北神さんは、先日京都で行われた前原元外相の決起集会で、安倍政権に対し、森友・加計問題等で集中攻撃を行う民進党の現執行部のやり方について、「いくら加計学園で攻めても、いくら森友学園で攻めても、『じゃあ、お前らが政権取って、本当に日本の国民・領土を守るような政治ができるんですか。前回できなかったんじゃないですか』というのが、今の民進党に対する(国民の)不信だ」と発言されている。

また、北神さんは、総理補佐官を務められて、政権を取って現実に政治を動かすことの難しさも体験されていると思うが、これらを踏まえた時に、ひたすら現政権を攻撃する民進党執行部の手法について、どのように捉えているか」

民進党代表選で投票する北神圭朗衆院議員(Photo/松原 久)

北神「一つ目は、日本の議院内閣制という制度の中で、野党の一番大事な仕事というのは、問題点を指摘して、改善していく。(政権の)暴走に歯止めをかける。それらが野党の役割だ。それが物分りよく、(政権のやっていることは)素晴らしいですね等ということをやっていたら、何の意味もない存在だ。イギリスなどでは、野党のことをはっきりと反対党(Opposition party)という。それは確かに大事なことで否定はしないが、まず第一に、真面目に政治をやる上で、国のために何をやればいいのかという軸をきちんと持つことが必要だ。

二つ目には、国民からすれば、政権交代というのは、敵失によって実現している。日本は(政権交代に)あまり慣れていないので、敵失で政権を獲得すると『お前ら大した事ない』と言われてしまう。イギリスの格言だが、「野党が選挙に勝つことはない。政権党が負けるだけだ」という言葉がある。政権党が駄目だから、(票が)受け皿である野党にいくという意味だ。

(自民党の支持率が下落する中、自民党批判層が)何故民進党に来ないのか。一つは民主党政権で失敗したということを含めて、民進党が(政権をとったら)何をしたいのかというのが、(有権者に)見えてこないと任せる気にならないのではないか。敵失の部分は出てきているが、受け皿になり得ていないのはそこだと思う。だから、民進党として何をやりたいのかということをはっきりと示さなければいけない。

 前原さんが訴えている「All for All」は、民進党の今まで進めてきた子育て支援や高校無償化等の流れで、人への投資を充実させる考えで、これは良いことだし大事なことだと思うが、今民進党が問われているのは、外交・防衛だ。安保法制が駄目というなら、どうやって北朝鮮(核・ミサイル)に対して日米の共同作戦で対応するのか。中国にはどう対応するのか。ここを民進党としてはっきりと(ビジョンを)持たないと、絶対に政権交代なんて無理だと思うし、民進党の再生も無理だと思う。

 今のメンバーで、政権を取って、運営できるのか。だいぶ経験は積んだと思う。(視点を変えて、)自民党のどこが優れているのか。一つは、官僚の言うことをある程度聞く。これができれば、こういうことを言えば怒られると思うが、ある程度の人であれば、官僚からの抵抗もなく大臣もできるだろう。民主党政権の失敗は、『官僚の言うことなんか関係ない。俺たちでやる』という風にやってしまったが、そんな能力もなかった。どんな天才的な人でも、不可能なことだ。何万人もの官僚が行政を動かしているのだから。そこをどこまで反省したのか。

また党内のゴタゴタで、党としての意思決定がうまくできていない。この部分は自民党は民進党に比べて優れているところだ。ここが(民進党再生の)鍵だ。つまり、どうやって意思決定をしていくのか。何をすれば、党内の全てが、(意思決定を)正統性のある決断だとみなすのか。政策面であまりにも開きがあった場合、野党時代に政策をまとめろと言われても難しいし、政権を取った場合、例えば北朝鮮がミサイルを本土に撃ち込むと言ってきた時に、本当に民進党全体が同じ方向を向いて(対応を)決められるのか、このようなことが一番問われている。私は、代表選について、勝つためには数が必要であるから、(政策が)薄まるのはわかるが、路線をはっきりする戦いにすべきだということを主張してきた」

やまと「前原さんの決起集会を取材して印象に残っていることだが、北神さんは、共産党警戒論をはっきり打ち出した。その後、前原さんは共産党への対応について言及せず、集会が終わった後の囲み取材でも明言を避けた。しかし、後日、京都新聞等を見ていくと、北神さんの考えに近い発言をしてきた。北神さんと前原さんは、議員になる前から、30年来にわたる付き合い、先輩・後輩という関係があるが、そこで腹を割って話し合える部分があると思う。北神代議士が(対共産党のスタンス等について)引っ張っている部分があるように感じるが、実際のところはどうなのか」

 北神「私は、共産党との選挙協力については本当に嫌だと思っている。しかし、前原さんの立場で言えば、代表選を勝たないと実際に党内の改革もできないので、(左派に配慮し、)踏み込んだ発言をしづらいというのもわかるので、敢えて私が、前原さんの本音だと思われるところを明確に言う。その部分は意識している。

実際、共産党との連携を望む党員サポーターもいるし議員もいるので、私の共産党に対する発言は叩かれている。それでも敢えて発言するのは、前原さんの本音はそこだと思っている。そして、(共産党との関係のリセットを)本当にできるのかが勝負だ。

私が言う以前に、前原さんが共産党をシロアリに例えて発言しているので、わかっていると思うが、(共産党との連携を望む)情けない議員がいるので、この人達をまとめるためにはっきりと言えていないというのが現状だ」

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