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維新松浪健太氏、民進・辻元清美氏と三つ巴の戦いを繰り広げる自民・大隈和英衆院議員「(自民党・安倍政権に対する)逆風少しは弱まった。(国政の課題について)さらに丁寧に説明責任を果たしたい」

自民党・大隈和英衆議院議員(Photo/松原 久)

21日の朝、大阪・高槻市内のある駅で、自民党の国会議員が、駅へ向かう人々に挨拶しながら活動報告のチラシを手渡そうとしていた。しかし、通勤を急ぐ人達はなかなかチラシを受け取らない。それでもこの国会議員は、数カ所に別れ手分けしてチラシを配る事務所スタッフとともに、1時間以上に渡って、挨拶の声がけを続けた。

大隈和英衆議院議員。衆議院比例近畿ブロック選出の議員だ。選挙区は大阪10区(高槻市・島本町)だ。大隈氏は、自民党が政権奪還した平成24年12月の衆議院選で国政に初挑戦したが、日本維新の会立ち上げメンバーである松浪健太氏に破れ落選。続く平成26年12月の衆院選で、民主党の辻元清美氏に破れたものの比例復活で初当選を果たした。

大阪は日本維新の会がいることによって、他の地域と比べると自民党にとっては厳しい土地だが、大隈氏は、日本の維新の会に加えて、国会中継や討論番組などで、抜群の知名度を誇る民進・辻元氏の2つを相手にしなければならない、この大阪10区で日々政治活動を続けている。

大隈氏は、森友・加計問題などによる政権の支持率大幅低下や、体制立て直しの内閣改造を経た今、地元有権者の声や、自民党に対する逆風について、どのように感じているのだろうか。

この点について、大隈氏に質問してみたところ、一時期と比べて、逆風は少し弱まったと感じている、とした上で次のように述べた。

「私の選挙区は、(大阪と京都の)ベッドタウンと言えると思う。東京からのニュースの影響は非常に強く、例えば、(衆議院が)小選挙区に移行してから現在まで、(小選挙区で)連続当選した人はおらず、その時その時の世論に影響される、しかしながら、一番大事なのは、人間関係・信頼関係だ。

私としては、ベッドタウンであっても、新しい住民の方だけではなくて、古くから住んでおられる方もたくさんいるし、一人一人の信頼関係、特に自民党の政策は勿論だが、
地元の代議士として、『大隈の言うことだったら聞いてやろう』となるような関係を、(地元有権者との間で)きっちりと作ることが大事だろうと思っている。

私の場合は、親戚が地元に長く住んでいるが、落下傘候補なので、だからこそ信頼関係が非常に大事で、安倍総理が「信なくば立たず」と発言されていたが、まさにその通りだ。

私は元々病院にいて、新薬や手術方法について研究発表したり学術論文を書く時には、利益相反について(チェックが)非常に厳しくなっており、どこの製薬会社から研究費をどのくらいもらったか等、論文にも必ず明記しなければいけない。

学会だけでなく、世の中も利益相反について、どんどん厳しくなっているので、特に政権与党側は、国家戦略特区のように、これまでよりも迅速かつダイナミックな動きをするものなので、政策一つ立てるにしても、利益相反について、透明性を高めて、一般の方にも疑念を持たれないような、わかりやすい説明を当初からしておけば、今回のようなことにならなかった可能性もあるので、そこは反省として踏まえて、内閣改造した安倍政権を、オール自民党で支えていく。今の政策は、経済政策にしても、間違っていない、結果が出ているので、きっちりと物事を前に進めていく。

支持率が下がったからといってバタバタするのではなく、今が頑張りどころだと思って、皆さんにさらに丁寧に政策に対する説明責任を果たしていきたい」

大隈氏は、政権の浮き沈みに一喜一憂することなく、街頭活動や、集会等を今まで通り継続していくことによって、地元有権者との信頼関係を築き、支持を集めていくことが、次の衆議院選挙で勝利を掴むために最も大切なことと捉えているようだ。