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〔写真レポート〕石巻・南三陸町を訪ねて

〔写真レポート〕石巻・南三陸町を訪ねて

 

大川小学校を訪れるボランティアの方々や私のような一般で足を運ぶ方々も見受けられた。

報道を通して見るものと、実際に目にした光景は同じものでも、その場に立ってみるとその感じ方は全く違うものであった。
写真を撮らせていただきましたが、それも又、同じことが言えるでしょう。

 

南三陸町まで行く海岸沿いの途中には、いくつかの漁港なのか小さな船泊りなのか漁船が2、3艘停泊していた。運転していたのでしっかり見ることができなかったが、特に大きな被害があったようにも見られなかった。小さな場所だから再建が早くできたのか?小さな湾になっているから被害が最小限で済んだのか?いずれにしても漁船が停泊していたことは重い気持ちをわずかですが軽くしてもらったように感じた。

 

南三陸町は更新していないナビは全く役に立たない。それほどに津波によって町が壊されたことを実感する。
道路整備の間を縫うように車を進めると、3月に開業したばかりの『さんさん商店街』を見つけたが、駐車場にどうやって入っていいのからず、さんさん商店街の前のコンビニでUターンし、脇道で引き返そうとしていたところ、町民の方に道を尋ね少し話を伺うことができた。

Uターンしてきたコンビニの周辺に住まわれていたそうだが、今は離れた高台の復興住宅に移っておられると話され、私達が東京から来たと話すと「わざわざありがとうございます。」とおっしゃってくださった。物見遊山のような私にまだ復興には程遠い町の状況で、頭まで下げてくださったということ、言葉には表すことができない。

 

仙台での会食で市内にお住まいの方とご一緒し、復興という言葉と被災地の暮らしには乖離があると言われたことに、南三陸町でお話させていただいた方の居住環境が想起された。
『さんさん商店街』の近くに住んでいらした方が離れた場所に移り、「あのコンビニの近くに住んでいたのよ。」と笑顔浮かべながらも少し寂しげな表情で高台の復興住宅へ歩いて行かれる姿は今でも目に焼き付いている。

 

編集部 山下