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西田昌司参院議員×八木康洋在特会会長対談動画第一回テキスト版

西田昌司参議院議員(左)と八木康洋在特会会長(右)

西田昌司参議院議員と「在日特権を許さない市民の会」八木康洋会長との対談をまとめた動画「『ヘイトスピーチ法議論①』西田昌司×八木康洋 保守対談 VOL.1(Youtube)」のテキスト版を公開します。次回の動画は、3月14日公開予定です。

「週刊西田」

西田昌司議員(以下西田)「今月はビッグな方をお招きしました。八木康洋さんです。『在日特権を許さない市民の会』会長いわゆる『在特会』と言われているところの団体であります。私のことを売国奴呼ばわりする、桜井さんという方が前会長さんだったんですよね。

それで在特会というのがあるのは知っていたんですが、桜井さんという方が言っていることが、私は納得いかなかったので、在特会の方と会うことも実は一度もなかったんですが、ある所で講演した時に八木さんがおられて、非常にお顔も、お話も温厚で、非常に知性的な方で、話した時にあまり違和感がなかったので、『一度対談やってみませんか』とお誘いしました。今日は宜しくお願いします。

まずは在特会が問題にしている『ヘイトスピーチ規制法』、これについての在特会側のご意見がどうなっているのかお聞きしましょう」

八木康博氏(以下八木)
「一言で言ってしまえば反対ですね」

西田
「その理由は」

八木
「やはり言論の自由というものを侵害しているということ、様々色々と問題があって、目立つ問題点としては、あまりにも不平等、言ってみれば在日の人達を守るための法律になると思うのですが、彼らの言論というのは、日本人に対してのヘイトスピーチは自由なんだけれども、日本人がやったらこれは違法行為になってしまうという不平等さというのを感じます。それだけではないと思うのですが」

西田
「入り口ですね、わかりました。それは誤解なんです。元々このヘイト法の前に出ていたのが、野党の民進党が、いわゆる外国人差別撤廃法というものを出したんですが、これはとんでもない法律で、要するに外国人の差別はもちろん駄目なんだけれども、それは人権擁護法とよく似た構造で、差別をしたらそれについて行政が中止命令を出来るなど、様々な罰則があるとか、そういう形になっているんですね。それは言論の自由を奪うことになるし、表現の自由、内心の自由(を侵すことになる。)とにかくそれが一番いけないことで、私が不思議に思うのは、彼らが今テロ等準備罪について、『ちょっとでも相談したら関係ない人まで捕まえるのか。けしからん』とか、とんでもないところからそういう理屈をつけているけれど、彼らが出してきた法律そのものが、内心の自由に関わるところから、表現の自由に関わるところを取り締まる。(このような)法律をもう一方で作っている人間が、よくそんなことが言えるなと思うんですが、だから私は絶対に表現の自由とか内心の自由に制限を加えることは絶対駄目だということで、ずっと反対してきたわけです。

ところが一方で、川崎の現場もそうだし、元々私は京都に住んでいるんです。京都の南区で朝鮮中学校、あれが一番のヘイトスピーチと言われたものの元だと思うんです。恥ずかしながらあったことを全然知らなかっんです。ところが後でYouTubeで出ていましたから、私も見ていてびっくりしたのは、かなり『朝鮮人出て行け。お前達はなんだ』とがなりたてて、そこまでやるかと。たしかにあそこは(朝鮮学校が)京都市の公園を占用してしまっていた。手続きもせずにやっていたんだから、違法だと言えばもちろん違法なんです。

そこをなんとかしろって言うのだったらわかるのだけれど、それをああいう形で見ていると、はっきり言って言論という名の暴力です。だから僕はそれはなんぼなんでも行き過ぎではないかと。しかし、かといって人種差別撤廃法のような、ある意味で言えば罰則とか行政側が、ヘイトや何かという判断をする法律というのは無理がある。結局それではない形でやるにはどうしたらいいかというので、理念法でどうだということで、自公の中で、もちろん私も中に入ってやった最大公約数というか、これくらいの書きぶりしかできないよねと。それ以上書いちゃうとまさに八木さんが言っているように、言論の自由を奪ったりすることになるし。だからどこまでも言ってますが、言論の自由を完全に認めているんですよ。

じゃあ、あの法律は何の意味があるのかと、こういうことになりますよね。はっきり言ってあの法律自体は取り締まりがあったり、処罰したり何もできないんです。ただ問題は、国会の参議院の中で議論を通じて、現場の話もやったことも含めて、やっぱりあそこまで口汚くがなり散らしてやるっていうのは、それを公然と、しかも特定の外国人に対してやっているわけで、それはよくないんじゃないか、だからやめましょうという理念法になっている。その時に今言われた『じゃあ外国人にはそうなっているんだけれど、日本人に対してはどうか』と、そういう理屈で言われるんだけれども、少なくとも我々が立法事実として、そういう朝鮮人が、例えば日本人に対してこうやってという立法事実として認識していなかったというだけの話で、それなら外国人が日本人を口汚く罵るのはいいのかと言えば、当然いいはずがないわけで、それも駄目なんです。それは答弁の中でも言っているはずなんです。だからどちらも駄目なんです。こういうことですからそこは誤解しないでいただきたいということなんです」

八木
「西田先生は、法務委員会の筆頭理事という形でこのヘイト法に関わってきたということですが、あの時の経緯というか、筆頭理事が変わったと聞いたんですが、どういった経緯があったのか説明していただけませんか」

西田
「それを言うと、元々さっき言ったように、私はヘイト法というか、人権擁護法をはじめ、この手の法律は全部反対です。というより私が全部潰してきてるんですからね。ところが、国会の内部の話だし(細かくは言えないが)、私が筆頭理事になった(経緯ですが)、私は元々法務なんか専門外で、財政金融委員会などで委員をやっていたんです。ところが国会が動かなくなった。何かと言うと、人種差別撤廃法案というものが(野党側)出されて、また他の刑事訴訟法改正の話もあって、先に出したのが、議員立法になったけれど、民進党から出ている人種差別撤廃法案だと。その議論をしてくれないと、後で出てきたのは内閣提出で衆議院から出てきたのだから、先にこっちの(人種差別撤廃法案)やってくれないといけないと、こういう話になってしまった。ところが、人種差別撤廃法は、とんでもない法律だから駄目なんだけれど、それを拒否するとどうなるかという話で、委員会が止まってしまって動かなくなってしまった。そこで理事を入れ替えたわけです。そういうことは珍しいが、とにかく筆頭理事を代えて、『西田お前が行ってどうにかしてくれ』という話になって、それではどうするのか。人種差別撤廃法は、絶対阻止しなければ駄目だから、(野党側がいくら)言ってきても出来ない。『できないんだったらどうしてくれるんだ』という話になって、向こう側から言ってきたのは、与党側からそれに代わるものを出してくれと、出すと言っても先に言ったように、強制力があるとか罰則があるとか、行政がそこに介入するとかいうのは絶対駄目だ。それなら理念法でやろうじゃないかということで、与党の公明党と相談して、(与党案は)民進党も共産党も何度も彼らは
反対だとか(言って)大変でした。この様子はYouTubeとかで出てますから、国会の様子を見ていただいたらいいんですが、彼らが不思議だったのは、言論の自由とか何とか守れと言いながら、もう一方では『差別的な表現だけは法的に規制するべきだ』と。法の線引きどこでするのか。そういうことは絶対にできない。司法の場でないと無理なんです。それは絶対出来ないということをちゃんと明言しているわけです。

逆にその時に、例えば政治的発言ありますね、それもヘイトかというと、例えば『米軍基地に行って、米軍基地駄目だ、ヤンキーゴーホームとかこういったことはどうなんだ』と言うから、『それは政治発言でしょ』と、政治発言はいいんです全て、当然の話です。だからさっきの韓国の、在特会の出来た目的の在日特権ですか、在日特権とも私は思わないんですが、戦後の占領時代に、戦前の整理ができていないタブーですよね。当然そのことを言うこと自体が違法でもなければ真っ当な話でいいんです。ただ人前で大声でいわば暴力的な形の言論というのは慎むべきでしょうと、それに良くないと。それを国民は皆良くないと思ってるよということで、理念法にしたというわけです。

もしあれを作っていなければどうなっていたかというと、あの国会で何も動かない大変なことになってしまって、逆に民進党の出している法案に、こちらが出さずにそれを通したらもっと大変なことになったわけですから、絶対に出来ないということだったんです。

政治の現場が動かなくなってしまったからやったというのが現実ですから、その中でもやる時には絶対に『毒』にならないようにやっているので、『毒』には全くなってないんです。民進党が今テロ等準備罪とかでね『ああしたらこういうことがあるじゃないか、こういうところで人権が侵害されるじゃないか』と盛んに言ってますけれど、それは彼らが出していた人種差別撤廃法はそういう法律だったんです。ところが私達の出しているやつ(ヘイトスピーチ規制法)は全くそれはないですから。そこだけは皆さん方にはご理解いただきたいですね」

八木
「今話を聞いて、いわゆる朝鮮学校襲撃事件だと言っていた件ですが、あれはあれでもちろん口汚い言葉を言いに行ったわけではないんです。あくまでそれは公園の言ってみれば不法占拠の状態があって、あの時は我々の仲間が公園で集会をやるという目的で行って、そうしたら公園の所にゴールポストだとか朝礼台だとか設置されていて、そこから始まった。そこで有田芳生先生から出てくる言論というのは、(集会・抗議デモの)編集されたものが出てきてしまって、結局その口汚い言葉の一部分だけを殊更強調しているようにやられてしまった我々(の発言、)例えば『スパイ養成学校』だとか裁判でも問題になりましたが、それを言いに行ったのではなくて、そうではないところで言いに行って、たまたま言い合いの中で、それが(口汚ない言葉)出てきちゃったんですが、それは5パーセント(抗議全体の中)くらいしかないんです。たった5パーセントを殊更強調されているということを僕は思うんです」

西田
「後でまた言いますが、在特会が何故こういう運動をされているかという話はまたあとで聞きますが、要するに私が言いたいのは、在特会が言っていることが100パーセント正しいとしましょう。事実その公園を不法占拠してるんだから、そのことについてはどちらが悪いかと言えば朝鮮学校側です。もっと言えば京都市が放置したんですから、京都市の責任も勿論ある。それはその通りなんです。しかしだからと言って、そこでがなり立てて言うっていうのは、例え5パーセントであっても、やった瞬間から、どう思われるかということをやっぱり考えなければ。それは当然変な人と思われます。だって普通の人はそういうことをしない。普通の人は、話しててもそんな無茶苦茶声を荒げてやらない。

私は例えば国会で『いいかげんにしろ』と怒鳴ってやっていたでしょ。大体おかしい人と思われるわけね。(一同笑い)
しかし私はそれを覚悟で、役人の答弁とか当時民主党政権を懲らしめるために、こっちが批判受けるのを覚悟でやってるわけです。ところがあなた方も批判受けるのを覚悟で勿論やっておられたんだろうけれど、しかしそれはやっぱりやり過ぎで、そこは自重して淡々とやる。要は何が言いたいかと言えば、あなた方の言ってることは当たり前だといいますが、私もそうだなと思うことも多分沢山あると思うんです。しかし、そういう表現の仕方をするだけで、例えば八木さんは知性派であるにもかかわらず、そういう表現の仕方をすることで、レッテル貼られてしまってもう話を聞いてもらえなくなるんですよ。もっと言えば、例えばあなた方を批判する方々は、まさにそのレッテル貼りをするのが(目的の)一つなんです。『在特会っていうのはとんでもない輩の集まりだ』という話に仕立て上げられて、事実と違っていたとしても、そうなってしまう」