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なるほど、納得政経塾 第五回「合理性の限界ということ」 神奈川大学経済学部教授 経済学博士 小山和伸

 我々人間は、行動に先だって意思決定をしている。何かを選んだり、何らかの問題を解決したり、その行動に先立つ意思決定はどのように行われているのか。以下では、1978年にノーベル経済学賞を受賞したH. A. サイモンの理論に基づきながら、人間の意思決定と合理性の限界について考えてみよう。

 何かを選択する場合、誰でもできるだけ良いものを選びたいと思っていることは間違いない。例えば、いま目の前に3種類の定食メニューがあるとしよう。A定食は刺身と煮物の和食、B定食はハンバーグとエビフライの洋食、C定食はラーメンと八宝菜の中華料理。麺類が食べたければC定食、あっさり系が良ければA定食、肉系が良ければB定食。

 この場合、最も気に入ったものを選ぶことができそうである。一番良いものを選ぶ意思決定のことを、最適決定と呼ぶ。定食は3種類しかないし、どれもなじみのメニューで、味も予測できるし食べた時の効用(満足感)も大体正確に予測できるから、一番高い効用を得られる選択肢を選ぶことができる。

 つまり最適決定が可能となる条件は、以下の三つである。①取り得る選択肢を全て列挙できること。②選択肢がもたらす結果が正確に予測できること。③その結果から得られる効用が正確に予測できること。

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