kokutai「日本への回帰」「揺るぎなき国体」

【日本への回帰】 日本人の旅心 展転社代表取締役 荒岩宏奨

 現在のゴールデン・ウィークは4月29日からはじまる。このゴールデン・ウィークは長期休暇となるために、旅行にでかける人も多い。多くの人が旅行をするゴールデン・ウィークが、4月29日の昭和の日からはじまることに、私は大きな意義を感じてゐる。

 昭和22年、昭和天皇が広島で「ああ広島平和の鐘も鳴りはじめたちなほる見えてうれしかりけり」といふ言祝ぎの御製をお詠みになられ、その言祝ぎの力が広島を復興へと導いたと私は思ってゐる。しかし、復興の力となったのは広島だけではない。日本全国の戦後復興を支へ、そして促進したのはまぎれもなく昭和天皇のご巡幸である。

 天皇陛下の行幸、巡幸は古来からの統治形態である。わが国では西洋や支那のやうに、君主が民を一方的に押さえつける統治形態ではない。天皇(すめらみこと)は民の生活をご覧になる国見をなされるのである。

 『万葉集』では第34代舒明天皇が国見をなされた御製が記されてゐる。

《大和には群山あれどとりよろふ天の香具山登り立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ海原はかまめ立ち立つうまし国ぞあきつ島大和の国は》。

 舒明天皇が香具山に行幸されて国見をなされたところ、あちこちから煙が出てゐた。当時、煙が出てゐるといふことは食事の支度をしてゐるといふことで、あちこちから煙が出てゐるといふことは国民の生活が豊かである証であった。それをご覧になられた舒明天皇が、大和はよい国だと褒められた御製である。

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