2017年08月21日(月曜日)
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「中朝国境の旅 」 第二回 宮塚コリア研究所研究員 中学校教員 野牧雅子

 長白山大酒店

平成二〇年三月、夫宮塚利雄と私は、鴨緑江の臨江から長白へ向かった。鴨緑江を挟んで中国側臨江の向かい側は北朝鮮中江、長白の向かい側は恵山である。臨港のホテル「長白山大酒店」では、部屋の鍵を渡してくれないので、戸惑った。朝、出かけて夕方、ホテルに戻り、部屋の前に立つと、どこからともなくお姉さんが出てきてカードの鍵をドアノブのあたりにかざして、部屋を開けてくれるのだ。たいてい自動ロックだから、うっかり部屋に何か忘れ物をしたら、どこにいるのか分からないお姉さんを、「あのー」とか、「すみませーん」と叫んで呼ばなくてはならない。宮塚によると社会主義圏では当たり前のことなのだそうだ。もちろん、客は出て行った後、部屋の中や荷物を点検されていることを覚悟していなければならない。また、パスポートを提出し、翌日の予定を言わなくてはならないこともあった。中国のすべてのホテルでは、外国人がチェックインすると、フロントの奥では職員が公安(警察)に外国人旅行客が訪れたことを報告するのだ。すると、すぐ、公安から二人以上の私服公安員(警察官)が来て、それとなく、外国人旅行客を見張っているのだ。

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