2018年02月18日(日曜日)
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連載第20回 北朝鮮の漁船 野牧雅子(宮塚コリア研究所研究員)

連載第20回 北朝鮮の漁船
野牧雅子(宮塚コリア研究所研究員) 

 

 去年、平成一七年一一月二九日、北海道の松前町沖で漂流していた北朝鮮漁船が発見され、巡視船により函館沖に曳航された。北朝鮮の漁船は実は何年間もの間、かなりの頻度で日本に漂着している。松前町の事件の前、一一月二四日には、秋田県由利本荘市にやはり北朝鮮の漁船が漂着しており、住民の通報で分かった。
 
 松前町に保護された北朝鮮漁民は、しばらく、日本のメディアの注目を浴びた。まず、彼らは巡視船と漁船とを繋ぐロープを断ち切って逃走を試みた。
また、松前町の離島である松前小島に何日か宿泊していて、そこにある家電やバイク、シャンプーやドアノブまでをも盗み、ものを食べたらしく、調理の跡さえあり、さらには、ボイラーや発電機も壊していたとのこと。これは日本国民を驚かせ、ニュースの好餌となった。
 
 加えて、窃盗容疑で船長が逮捕される映像がテレビニュースに流れたが、その男が抵抗し暴れている様子がはっきり映し出され、これも、話題となっていた。
 
 ニュース記事をもとにして作られるテレビやネットの番組では、さまざまなコメンテーターが登場して、北朝鮮の漁業について話したため、「大和堆」などの言葉や、北朝鮮の農業や漁業は人民軍も利権をもっているなどの知識が日本国民に定着した。コメンテーターの中には、漂着した者たちは漁民を装った軍人やスパイである可能性があるのではないか、と指摘する者もいた。
 
 夫の宮塚利雄(宮塚コリア研究所所長、元山梨学院大学教授)は、長年にわたり、北朝鮮の漁船についての情報を集めている。彼に言わせると、質素な船でも、上質なエンジンと燃料があれば、日本海には楽に来ることができるとのこと。特に海流に乗れば、簡単に、日本にたどりつけるのだそうだ。が、漁船には性能の悪いエンジンしかついていないので、日本に船が流れて来るのだ。北朝鮮漁民の間では、海流に乗ると新潟に着く、という「神話」まであるそうである。

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