天皇論の現状について 片山杜秀・島薗進『近代天皇論』を読んで 三島由紀夫研究会代表幹事   玉川 博己


天皇論の現状について

片山杜秀・島薗進『近代天皇論』を読んで

三島由紀夫研究会代表幹事   玉川 博己

 

昨年8月8日の天皇陛下の生前御譲位を示唆された「お言葉」表明以来、様々な立場からの天皇論、皇室論が論壇に登場してきた。戦後の天皇論は、まず敗戦直後の大多数の国民が支持した国体護持論と共産党が唱えた天皇制廃止論の対立として表れたが、やがて共産党はいつの間にか天皇制廃止論を棚上げして、天皇・皇室を「無視」する立場に変わり、そして現在はその共産党までが熱心な象徴天皇制支持論を唱える不可思議、面妖な状況となっている。今や自民党から共産党に至るまで譲位問題をめぐって「大御心」尊重と「承詔必謹」の点で一致しているのだ。以前なら考えられないことである。

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