「中朝国境の旅」 第四回 宮塚コリア研究所研究員 中学校教員 野牧雅子

 リオデジャネイロのオリンピックで、中国の競泳選手傅園慧(フ・ユアンフイ)さんが、四〇〇メートルリレーで、四位となった。メダルを期待されていた彼女は、「昨日から生理になっちゃって…」とさらりと言った。

 以前から傅選手はその天真爛漫で明朗な人柄から、中国内ではもちろんのこと、今回のオリンピックのアイドル的存在であったそうである。この「生理になっちゃったの」発言が率直であるとして、中国のソーシャルメディアで話題となり、好意的に受け取られ、さらに、ニューヨークタイムスやイギリスのBBC放送でも話題となった。「なっちゃった」発言が、「タブーを破った」「よくぞ言った」ということらしい。どこの国でも女性が「なっちゃった」、ことを口にするのは、一応恥ずかしく言いづらいことらしい。

 が、私は「生理になっちゃった」くらいでは、恥ずかしくも何ともない国を二つ知っている。日本と中国である。ひところほど盛んではないが、日本では性教育が今でも学校現場で行われており、「女性の気持ちを理解」するために、月経のことは教える。真面目な教師ほど(特に女性教師)、「生理なっちゃった」と女子生徒が「堂々」と言うことを奨励する。だから、日本の若い婦女子は「お腹痛い、あれだよ、あれ、生理!!」とでヘーキで言うし、それを聞いて、若い男子もヘーキな顔をしている。

 「はしたない」などという単語は、もう、死語となってしまったのだ。

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